2012年8月 記事一覧

今年度(平成24年度)の日本の予算を見ると、税収が約42兆円。内訳は、所得税約13兆円、法人税9兆円。消費税10兆円。その他税収(揮発油税、酒税、相続税等)10兆円となっている。一方、日本の歳出予算は約90兆円。足りない分の44兆円が公債金収入(国債)という借り入れになっている。
この日本の財政の現状は家計の借金にたとえられ、財務省のホームページにも書かれている。これによると日本の財政は税収等で約50兆円。これに対し歳出で約95兆円、公債金収入で約44兆円となってい
る。これを1か月分の家計収入にたとえた場合として、月収40万円の人が、月75万円の生活をし、毎月35万円の借金、そしてローン残高が6348万円にもなってしまっているというたとえを紹介している。

 

この現状を打破するために消費税の増税の議論が行われているわけだが、そのためには、消費税増税でいくら位の税収増になるのか、そうして毎月借金の35万円がいくら位減少することができ、そしていつ頃までに追加的な借金としなくてすむようになるのか(プライマリーバランスをいつまでに達成できるのか)といったことを明確にする必要がある。内閣府からの資料には、財政健全化への道筋として「目標」は書かれているのだが、消費税増税による税収構造がどう変化し、どのようなマクロ経済の変化とともに財政の健全化が進むと考えられるのかといった議論は見受けられない。
増税を行うということは、家計で言えば、実家や子供たちからの毎月の仕送りを増やしてもらうというようなことであろう。その時には当然のことながら、歳出削減も明確に示し、これで今後は借金をしなくても済むという姿を描かなくてはならないであろう。今後選挙において国民の信を問うということであるならば、そのあたりの議論も国民にしっかりと明示していく必要があると思う。

2012年7月2日私が記載した、「消費税増税に関する議論」にあるように、日本においては世界一のデフレが進行中だ。このような状況の中においては、消費税の負担は消費者に転嫁することは極めて難しい。

かつて3%の消費税が導入された時、また、3%から5%に消費税率が上げられた時、消費税の負担が生産者側ではなく、消費者側に転嫁されるように様々な工夫がなされた。つまり消費税が消費価格に転嫁されるよう、外税の価格表示が奨励され、世の中全体としてもそのようなことが受け入れられるよう、マスコミ等においてもそのような動きが支持される状況にあった。

しかし、現状の価格表示においては必ずしも外税表示が定着しているとも言えず、このデフレ状況下においては、多くの業種において消費者に消費税が転嫁されるのは大変難しい状況にあると言わざるを得ない。
現在、モノの価格はインターネットを通じてすべてガラス張りによく見ることができる。出張の際に泊まるホテルの価格でも、インターネットショッピングやオークションの価格でも、最安値がほとんどすべての商品で見ることができ、何が最安値なのかインターネットの中で容易に確認することができる。そうした状況の中にあっては消費税をそのまま消費者に転嫁することは大変に難しい。消費者はただ単純に消費者に転嫁せず企業努力の中で価格の上昇を吸収する生産者から商品を買うことを選択するにすぎないからだ。

私は財務省の副大臣であった現野田総理大臣と食事会に同席することがあって、この点を直接質問させていただいたことがある。当時の野田副大臣は「そうしたデフレの進行が強い時には消費税の増税を行うべきではないのでしょうね。」と答えられた。
今、この大変デフレスパイラルが厳しい日本経済の中にあって、野田総理はこの問題をどう捉えておられるのか再度お聞きしてみたいと思うところである。

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