2013年2月 記事一覧

安倍政権になって、政権と行政の関係が良くなり、行政組織の動きが良くなってきているように感じる。デフレ脱却目標の明確化、それを受けての円安、株価の上昇、東南アジアへの外交、国民の高い支持率等々。その間の官僚組織の動きも神経系統が甦ってきたようで、民主党政権の時の戸惑いが一掃されてきているようだ。
今回の日米首脳会談においてもTPP参加も表明され、同時に森元首相のプーチン大統領との会談や、日銀総裁の選任と矢継ぎ早に判断が行われていく状況は、大変歓迎されるものだと思う。
政治的な指導力が発揮され、行政がその意向に沿う形で業務をこなしていくことは大変望ましいことだ。国民はそれに対し選挙等を通じて判定を下していけばよい。目の前には参議院選挙がある。そこまで、短時間ではあるが、国民はしっかりと政権の目指す方向を見極め、それに対し賢い判断を下す必要がある。

 

 

ここで極めて大切なことは、政治や行政が既得権や各省の省益にとらわれることなくすべての国民の国益を最優先させることだ。TPPへの参加に際し、「すべての関税撤廃が前提にはならない」とする共同声明が発表され、安倍総理の記者会見でも「聖域なき関税撤廃は前提ではないことが明確になった」と言明している。
しかしそのような発想は生産者側の立場に立った考え方であり、それと同時に消費者側に立った発想も必要である。そもそも貿易は、より安く、安全で良質なものを貿易することによって人々の受ける利益を最大化しようとするものだ。生産者の利益を守ることは大変重要だし、生き残っていくための様々な努力や工夫は必要であろう。しかし同時に、国際社会の中で切磋琢磨し、競争しあうことによって、より良い生産物を作り上げていくことも歴史の中で多く繰り返されている。
そうした中で、例えばすべての農地で作物を作り、農産物においても安全で競争力のある強い輸出国になっていくといった発想や、様々な分野での規制緩和は、多くの者に利益をもたらす積極的な考え方ではないかと思う。
国民の多くはこのTPP交渉参加に期待している。

復興予算、補正予算、2013年度予算と、相次いで国の予算案が政府により示され、国会での審議が本格的になろうとしている。いずれも大変大きな金額であり、財政収支の悪化が極めて憂慮されるところだ。
財政の規律、財政の健全化を求めるとすれば、歳出を大幅に削減し、規制緩和を行い、減税を行って経済の持続的な成長を実現していくのが本来のあるべき姿だ。
アベノミクスでは、金融政策、財政出動、経済の成長戦略の3つが掲げられているが、財政出動については「公共事業は有効か」(2013年1月1日)に書いたように景気刺激策としては明確とは言えない。

公共事業については、どうしてもやりたい人たちと、やって欲しくない人たちが常にいるのだ。やって欲しいと願う人たちは公共事業に、より大きなメリットを直接的に受ける人たちだ。すなわち公共事業を受注する土建屋さんであったり、資材を提供する資材屋さんであったり、弁護士や会計士、人材派遣業者等も含まれるのだろう。場合によっては、地元の政治家もメリットを感じる場合があるだろう。
反対する人たちは、直接的なメリットをあまり得られない納税者であり、将来の増税を危惧する人々、それを危惧する市場関係者等であろう。
直接的なメリットを得る人々の政治的な力は大変強いものがあり、公共事業が年々低下している現在、そういう人々にとっては待ちに待った公共事業予算の急拡大のチャンスであろう。

しかし、日本のマクロ経済の現状を冷静に見るに、規制緩和に根ざした、市場経済に委ねる形での持続的な経済成長を目指すやり方でなければ、持続的な成長が難しくなることを理解すべきだと思う。国民の収めた血税が、どこでどのように日本経済の発展のために効果を発揮しうるのか、極めて慎重な検討が必要である。

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