2013年5月 記事一覧

1929年の世界大恐慌は各国を保護貿易主義に走らせ、世界経済がブロック経済圏に分断され、世界貿易は縮少の一途をたどった。これが世界的な大不況をもたらし、結果的に第二次世界大戦へ突き進んでいく大きな原因となった。戦後その反省の中からブロック経済を否定する国際経済体制が構築されてきたわけである。

 

通貨金融面ではIMF・世銀体制であり、貿易面ではGATT(関税および貿易に関する一般協定)体制である。このGATT体制の下自由貿易体制の強化に向けて、ケネディラウンド、東京ラウンド、ウルグァイラウンドといった貿易交渉が行われてきており、TPPもこうした流れの中にある。

 

このような歴史の中で、日本は自由貿易体制の強化に大きく貢献し、また大変大きなメリットを享受してきた。日本の市場開放も工業品の関税がほぼゼロとなっているなど世界に向けて大きくなされてきている。

 

TPPで実質的に大きな問題として日本が真剣に考えなくてはならないのは農業問題であろう。これはTPPの問題というよりは、日本の農業政策の問題と捉えるべきではないかと思う。日本のコメの生産能力は年間1400万トンと言われているが、需要が850万トンであるため、農地の4割が減反されているという状況にある。世界人口が増大し、世界的な食糧不足が懸念されている中にあって信じられないことである。その結果として日本の農業就業人口はここ15年で150万人も減少し、農家の平均年齢は65.8歳に達している。
日本のコメの関税は788%、日本の消費者にかかる社会的な負担も極めて大きい。早く日本の農業政策にも競争原理や市場原理を取り入れ、減反ではなく積極的な輸出を図るなど根本的な政策の転換が必要であろう。

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