2014年3月 記事一覧

クリミアには、ウクライナ人、タタール人ロシア人、ベラルーシ人等多数の民族がおり、紛争が繰り返されてきた歴史がある。ロシアは、国策としてロシア人(スラブ人)の移住を進め、また、第二次世界大戦中はクリミア・タタール人の中央アジアへの追放を行ってきた。結果として現在はロシア人が60%を占めるに至っている。

こうした中にあって、今回ロシアが軍事介入をもってクリミアを独立させ、住民投票を行い、ロシアへの編入を行ったとしている。住民投票は、国策としてスラブ人の移住を進め、6割を占めている状態にあっては当然の結果であり、力によってロシアへの編入を強行したことは明白である。欧米諸国は日本も含め、このような力による編入などは認められないとしているところであり、ロシアの主張を理解することができない。

 

 

仮に北方四島の領土問題も同様の問題として捉えてみれば、より身近な事として感じられる。第2次世界大戦の末期ロシアが北海道に攻め入り、北方領土を占領し、居住していた日本人を追い出し、そこにロシア人を住まわせ、そこで住民投票を行いその帰属を住民に判断させるとすれば、その結果は投票を行う前から、明白である。

 

 

民主主義に反するこのようなやり方を理解することはできず、ロシアのやり方に非難が集まるのは当然のことだ。世界一の広大な領土を有し、極めて多くの民族が存在するロシアは、様々なところに領土問題を抱え、力によって解決の道を求めざるを得ない状況にあるのかもしれない。しかし、そのようなことを繰り返していては真の国際国家になっていくことは到底できず、健全な国際社会の発展に大きな妨げとなり、大きな傷をもたらすことにもなりかねない。インターネット等を通じ飛び交う情報は遮断することはできず、昔のように見えないところで力で押さえつけるといったことはもはやできないのだ。

安倍政権発足以来、日本の外交や安全保障にかかる対応、そして東南アジアを中心とする近隣諸国との関係が大きく変わってきたように感じる。

 

安倍首相が就任前から掲げていた憲法改正にかかる議論が提唱されていることを初めとして、2013年12月6日秘密保護法成立、12月26日靖国参拝、それに伴う中韓、アメリカ、ロシア、インド、ドイツ、等からの失望や懸念の表明、2014年1月7日、安全保障局発足、2月20日集団的自衛権にかかる憲法解釈の閣議決定による変更等、安倍政権の意志が明確に打ち出されてきている。どれも重要な問題ばかりで、各界からの意見や懸念表明が相次いでおり、国民的議論がしっかりと行われることが大変大事であると思う。

 

1国の総理大臣の行動や議論は、個人的な考えや意見の表明ということにとどまらず、国家の意思表明として多くのマスコミを通じ諸外国に伝わっていく。それが近隣諸国をはじめとして世界の多くの国々に当該国家がどのような考えを持ち、どのように行動しようとしているのかという印象を大きく与えこることになるのだ。 あるアメリカの友人から、以前は、アメリカが関与する戦争に日本が巻き込まれないようにと日本人は懸念を有していたが、今は逆に日本によってアメリカが戦争に巻き込まれることを恐れている、と聞いて驚いた。安全と平和のために何を優先して行っていくかは極めて重要な判断だと思うが、あまり外交や防衛に関する急激な施策が性急に行われていくと、国民的な議論が十分行われていく時間が十分に取れず、それに伴って諸外国からの理解も得にくくなる恐れが出てくることも懸念されるところである。

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