2014年5月 記事一覧

戦後70年間、日本の自衛隊は一人の人間も殺していない。また、一人の自衛官も殺されてはいない。憲法で戦争が禁止されており、現に戦争をしていないのだから当然と言えば当然だ。この70年間、現行憲法の果たしてきた平和に対する役割は大変大きなものがあったと思う。

 

しかし、集団的自衛権が認められて、第3国のために武力が使われるようになると必ずしもそうはいかなくなるのではないだろうか。 第3国の武力に対し、日本も武力を使うのだ。第3国とは中立状態になることはできず、場合によっては第3国から直接の攻撃が来るかもしれないし、戦闘状態が長期化する場合もあるだろう。中立状態は戦争法上長期にわたってそのままにしておくことはできず、宣戦布告をすることが必要にもなってこよう。 平和主義をとる日本が平和憲法をもっていながら宣戦布告? 憲法は政府の暴走を抑えるためのものなのだ。

 

集団的自衛権のもと、日本の武力が使われれば、本格的な戦闘状態に入ることも想定しなければならず、軍事費は跳ね上がり、秘密保護法の強化や徴兵制など、戦後において全く想定していなかったことも心配としては出てくるだろう。 何のための集団的自衛権か。何のための平和憲法か。 息子を持つ母親たちは、早くもそのような心配を真剣にし始めている。

5月15日、安保法制懇は報告書を安倍首相に提出し、憲法解釈を見直すことで、集団的自衛権の行使の限定容認に向け、政府・与党で検討していく考えを表明した。戦後70年間、平和憲法のもとにとられてきた防衛政策が大きく変わることになるわけであり、様々な議論を呼んでいる。

 

 

そもそも日本は立憲主義をとっており、現憲法の前文や第9条に書かれている憲法の文言、そしてこれまで長きに亘って政府、司法、学会等が繰り返し表明してきた憲法解釈が歴史的にも明確に残っている。これを一内閣の閣議で変更することについては法曹界、学界、マスコミ等からも大きな疑問が寄せられている。

 

 

 

憲法の前文には、「政府の行為によってふたたび戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも

 

 

国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、…その福利は国民がこれを享受する。」とある。

 

 

また、第99条には「国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う」とあり、統治者側に立つものがこの憲法を守る義務を負っている。国民は信託する方であるから、この条文に「国民」は憲法を守る義務者としては入っていない。

 

 

 

集団的自衛権を容認するために、国民から「信託」されている平和憲法の解釈を同じ行政府の中の閣議でその「信託」の中身を変更してしまうことは論理的に見ておかしい。主権在民、そして立憲主義をとる民主国家日本としては、どうしても憲法解釈の変更が必要だというのなら、解釈ではなく、憲法改正の手続きを踏んで、防衛に関し国民が何を「信託」したいと考えているのかを問うべきであろう。

国民の祝日に「山の日」が制定されるという。8月11日がその日となるというが、どういう効果がもたらされるのか、明確な議論が聞こえてこない。
まず8月15日のお盆の週であることを考えるとこの効果はかなり大きいと思う。帰省ラッシュは8月12-13日頃から本格化するため、11日祝日となればその週全体が休日となる会社が極めて多くなるだろう。

 

 
そもそも日本の祝日は諸外国に比べてかなり多い。現在国民の祝日は15日に制定されているが、正月三が日も事実上休みであり、それに今回の「山の日」を加えると19日にもなる。約1月分の営業日に相当することにもなる。

 

 

休みが増えることはある意味においては良いことだ。家族と時間を取り、自分の世界を拡大し、また、充分な休息を取る等プラス面は大きい。しかし、それと同時に日給や時間給で働いている人が多いことも考慮しなくてはならない。昼食時にはいつも満員となる飲食店やオフィス街の多くのショップ等も祝日には閑散となってしまう。パートやアルバイトも多くの職を失うのだ。1日分の賃金の減少だけでも1月の約5%にもなるのだ。
また、行楽地も昨今の景気の低迷も影響し祝日だからと言って市街地の消費を上回るほどの賑いが出るとも限らない。

 

 

 

欧米では有給休暇を消化する割合が高いと言われている。しかし、個人が有給休暇を自主的に取ったとしても、会社自体は銀行や証券会社等も含め営業は行われており、社会全体としてはその機能を継続しているのだ。
経済の閉塞感がまだ取れない中にあっては、安易に休日を増やすことは慎重にしなければならないと思う。

第二次世界大戦後、世界の貿易は、ケネディラウンド、東京ラウンド、ウルグァイラウンド等の成果を得て、自由化が大きく進展してきた。戦前の大恐慌以降の保護主義が、世界貿易を極端に縮小した痛い経験を繰り返さないことを期してのことである。
関税を撤廃し非関税障壁を取り除く努力はラウンドごとに拡大され、その後の貿易の拡大に大きく貢献してきた。

 

 

今回のTPPも次の10-20年の貿易の姿を描く非常に重要な交渉である。来日されたオバマ大統領は日米首脳会談後の記者会見で、「日本はTPPを東アジアでリーダーシップをとり、日本の市場をリフォームしていく大切な機会ととらえるべきだ」という趣旨のコメントをした。

 

 

確かに残されたTPPの分野は、牛肉、豚肉、乳製品、米・麦・砂糖、自動車の規制緩和といったもので、すべて日本の市場への参入が問題とされているものばかりだ。振り返ってみると、アメリカが言うように、米国産牛肉は日本のスーパーではあまり見かけなくなったし、アメ車もほとんど見なくなった。コメなども高関税のためカリフォルニア米などほとんど見ることはない。
オバマ大統領が言う日本市場の「リフォーム」をする大切な機会だという発言は、今後の10-20年の日本社会全体にとっても極めて大切なことと考えられる。

ページ上部に