2014年10月 記事一覧

金融ファクシミリ新聞社の代表取締役島田一氏が、最近の著書「新共和党宣言」の出版記念会の挨拶で、次のように述べておられた。

 

 

「仮に日本経済に失われた25年が無く、その間に3%ずつ成長していたら」「足元のGDPは1000兆円となり、税収も100兆円になっていました。そしてそうなっていれば、昔と同じように中国と韓国は日本を尊重する態度をとり続けていたはずです。」

 

 

「この25年間は国の借金が4倍に増える一方で、税収はむしろ減少し、一時は25年前の半分近くの税収になってしまいました。明らかにその間のマクロ経済政策の失敗であります。」

 

 

確かに当時はアメリカの5兆ドルのGDPに対し、日本は3兆ドル。中国などははるかに小さい経済規模であったのに、今ではアメリカに大きく水をあけられ、中国にもはるかに追い越されている状態にある。25年間の経済成長率は世界の先進国の中でも最低水準にあるのだ。

 

 

さらに、積極財政の名のもとに行われる公共事業、税収が増えるかどうか疑問の消費税率の引上げ等政府主導の経済政策には、島田氏の指摘するように見直すべき根本的な問題が多く存在すると思う。これまでのような経済政策の失敗を十分に見直し、民間主導の市場経済に根ざした成長を期していく必要があろう。

日本の民主主義は、歴史の中でかなり短い年月しか保たれていない。江戸時代以前は天下をとったものがすべてを決め、民主的な考え方すらなかった。将軍が切腹といえば命でさえ一存で失うことになる。明治、大正時代には、議会ができたり憲法ができたりといったことで民主的な思想はあったのだろうが、充分とはいえない面が強かった。

そうすると、現行憲法が公布され民主主義が定着したと言えるのは戦後の70年間位ということなのだろう。

独裁国家はもとよりのこと、共産主義国家や社会主義国家においては基本的人権の尊重が十分でなかったり、情報の開示が十分でなかったりするケースがほとんどだ。それは為政者にとって不利な情報を開示すれば様々な批判や異なった意見が続出し政権を維持することが困難になるため、情報をコントロールすることが社会主義体制を維持していくための条件となるからだ。

民主主義においては、正確な情報をできる限り開示し、民意を実現するために国民の声を十分に聴く最大の努力をするのは当然である。政府は学級委員と同様に生徒たちの声を十分に聴いた上で、クラスのメンバーと一緒に問題に対処していく必要があるのだ。

消費税増税の問題にせよ、集団的自衛権の問題にせよ、国のあり方にかかわる重要問題について、幅広く国民の声を聞く姿勢を、強く意識しなくてはならないと思う。

香港が2017年に行われる行政長官選挙を巡り、大きく揺れている。選挙が誰でも立候補できて、有権者は誰でも自由に投票できる、民主的な選挙となるのか、事実上中央政府が認めた中央政府寄りの人物のみしか立候補できない制度となるのかは、決定的に異なる。民主主義や市場経済に長期にわたってしっかり定着している香港市民にとっては、この自由経済を死守しなくてはならないという思いは極めて強いであろうし、逆に中央政府にとっては、ここで民主化を事実上容認してしまえば、中央政府そのものの根幹を揺るがすことにもなりかねない。そういった観点からして、双方ともに絶対に譲れないところがあるのだろう。

その間にも香港ハンセンの株式市場は急落している。世界をリードする市場の一つである香港市場が不安に包まれていくことは、世界経済にとっても由々しきことだ。

民主的な国家であれば、香港が今後どのような社会、経済体制をとっていくべきか民意を問いその世論を尊重していくのであろうが、中央政府が主導権を維持していく国家においては別の論理が優先されるということなのだろう。

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