2014年11月 記事一覧

アメリカの選挙はよくできている、4年に一回の大統領選挙は、社会を挙げ、マスメディアを挙げての最大のイベントとなる。どんな人でもテレビや新聞等を通じ、何が争点となり、何が国民の生活にとって重要か明確な判断材料が示され、マスメディアの取材や全国のキャンペーン等を通じ、国民に対する国を挙げての政治教育が行われることになる。

そういった大々的なキャンペーンやプロパガンダを通じて、国民は経済、税制、軍事、外交、教育、医療、保険、年金等々、様々な分野における共和・民主両党の違いを明確に知ることができるのだ。

さらに大統領の任期途中2年を経たところで中間選挙が行われ、上院の3分の1、および下院の全員が改選される。中間選挙は2年たった大統領の信任を問われるものであり、今月初めに行われた中間選挙ではオバマ大統領は大変厳しい結果を受けたことになる。

 

これに対し、日本の衆議院選挙は内閣総理大臣による解散によるものがほとんどであり、その際、主権者である国民に何を問おうとしているのかその争点が極めて不明確だ。

例えば、アベノミクスが争点といっても、金融緩和なのか、財政出動なのか、規制緩和なのか漠然としすぎていてわからない。消費税が争点といっても、増税が良かったのか、10パーセントを延期したことを問うのか、延期した後に景気弾力条項をなくすことへの信認を取ろうとするのか、国民に問いかけていることが何かまったく明確でない。まして、集団的自衛権や外交問題等についても選挙で勝ちさえすればすべて信任を得たと言えるのだろうか。

今回の選挙には、このように何のための選挙なのか理解できず、多くの批判が寄せられている。政治に対する不信が全く払しょくされていない状況の中、野党の力が見えにくいタイミングに頼って、争点のわからない選挙をしていくことは主権者である国民からすれば、極めて理解しにくいところだ。

日本の選挙制度は、アメリカの選挙制度とかなり違っており、もっと見直していく必要があるのではないだろうか。

アメリカの中間選挙においてオバマ民主党は歴史的な大敗を喫し、上下両院とも過半数を失った。アメリカ経済は決して悪い状況にあるわけではなく、株価も高い水準の中で、政権与党がこれだけの敗北をすることは珍しいことだ。

 

これは、低賃金・格差拡大といった景気を実感できない層からの不人気に加え、アメリカの国際社会における指導力の欠如による面が大きいと思う。

対中国、対ロシア外交に加え、ウクライナ、イスラム国、TPP、エボラ出血熱対策等をはじめとして世界が抱える問題は複雑さを増している。アメリカの指導力の欠如と共にかかる問題が世界的に広がりつつあることは大いに懸念されるところだ。

 

しかし、別の見方からすれば、アメリカは4年に一度の大統領選挙に加え、2年に一度の中間選挙があり、米国民は常に選挙を通じバランスをとる道を選択している。日本においては、衆議院と参議院で過半数が異なるとねじれ国会として異常視されるが、アメリカでは上下両院で過半数を有する政党が異なったり大統領と議会の多数派が異なったりしていることがむしろ状態だ。

 

今後上下両院とも野党が過半数を占めることになり、オバマ大統領も議会への協力を呼び掛けているところだが、大統領、上下両院ともよく議論をし、国際社会の平和や安全のためにしっかりとした貢献を引き続き行ってほしいと願うところである。

「政治とカネ」の問題は、これまでにも繰り返し大きな問題として取り上げられ、そのたびに政治不信を招く大きな問題となっている。これは、公の利益に私の利益を優先する、公務員にはあってはならない忌まわしい由々しき事柄だ。

こうしたことには、1948年に制定された「政治資金規正法」があり、政治団体の収支が義務付けられ、国民に公開されている。しかし一般国民は馴染みは薄く、その実態を精査した経験は決して多くはないであろう。

 

小渕前大臣等関連の政治団体が検察の捜査を受けるような状況にあっては、少なくとも政治資金規正法の対象となる報告については、国民はインターネットでいつでも閲覧できるようにすることが必要であろう。また、報告書の提出にあたっては、本人と会計士、監査法人、弁護士等の捺印もきちんと行うべきで、本人が知らなかったといったことを許さない仕組みが大切だ。領収書等についても、開示されていれば、マスコミも含め、国民はきちんと精査されている状況を確認できるだろう。

 

国政にあずかる者のみならず、地方公共団体の議員たちも透明性を高め、規正法の趣旨にかなうやり方で資金をきちんと管理し、公開を常にわかりやすく行うことを義務付けなくてはならない。

そうした仕組みが早く取り入れられ、二度とこのようなことが起こらないようにすることが極めて急がれる。

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