2015年2月 記事一覧

日本国憲法の改正論議が行われている。国の今後の在り方、国民の生活や生き方にも大きな影響を与える議論だ。この問題については、国民もしっかりと勉強をしていく必要があり、政府や国会、行政府においても十分わかりやすい論点の整理や考え方等幅広く説明を行っていく必要がある。

 

その際、まず第一にはっきりさせていくべきことは、憲法は主権者である国民が、為政者に対し守らせる規範を示しているということだ。従って、憲法第99条に「天皇または摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。」と書かれている。国民は統治者にこの憲法を守らせる側だから、当然のことながらこの99条の中には含まれていない。

 

また、憲法に書かれていることの要点は、主権者である国民の基本的人権を守る(第3章)ということに最大の力点が置かれている。そのためには平和でなければならず平和主義、戦争放棄が前文並びに第2章第9条に書かれている。

さらに、国民の基本的人権を守るためには、三権分立を確保する国体が不可欠であり、第4章に国会、第5章に内閣、第6章に司法(裁判所)についての規定が置かれている。

 

日本国憲法は世界の民主主義の流れを汲み、個人の自由や平等を尊び、平和を希求する大変崇高な理想を掲げる書き方になっている。もし、改憲の必要があるとするなら、この高い目的をなぜ、どのように変えていこうとするのか、明確に説明を行い、国民の審判に十分資する判断材料を提供しなくてはならない。

イスラム国の人質となり、世界中から注目されていた後藤氏がついに殺害された。

信じられないような野蛮な行為であり、到底許されるようなことではない。

1月16日から21日まで安倍首相の中東訪問に際し行われた総理の中東政策スピーチにおいて、

「イラク、シリアの脅威・避難民支援、トルコ、レバノンへの支援をするのは、ISILがもたらす脅威を少しでも食い止めるためです。地道な人材開発インフラ整備を含め、ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します。」(外務省HP)

とあったことを、イスラム国は日本も十字軍に入ったと捉えたためだ。この中東政策スピーチがおこなわれた直後、1月25日には湯川氏が、そしてその1週間後の本日、後藤氏が殺害された。本日のNHKスペシャル、「追跡“イスラム国”」においても、日本の標榜するテロとの戦いが、米英仏に次いで具体的に示されたことにショックを受けている様子が報道されていた。

 

テロに決して屈さず、卑劣な行為を封じ込めていくことは当然必要なことだ。

しかしながら、人質を取られ、その中で人命尊重を重視していくことが必須の時、その表現の仕方やタイミング等は極めて慎重に行われるべきだろう。

イスラム国からのメッセージには日本人全体を標的にするといった表現があり、テロの標的となることに十分な警戒が必要となっている。

彼らの主張は、正義のためには死ぬまで戦うという過激なものだが、日本も同様な報復を行おうというものでは決してないだろう。正義と正義がぶつかれば憎悪が増幅されていくだけだ。悲しみと嫌悪感は取り払うことはできないが、野蛮な行動を壊滅していくための方策は勝てる手段と見通しの上において、選択されていかなければならないと思う。

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