2016年7月 記事一覧

民進党岡田代表は、東京都知事選挙の前日(2016年7月31日)、自身の任期満了に伴う9月の代表選に出馬しない意向を表明した。岡田氏は、「参院選で、どん底の状態から反転攻勢の一歩を踏み出すことができた。」としている。また、野党の共闘により一定の成果を出していることは最大野党の党首として評価できることでもあるだろう。

さらに、参院選も与党の大勝利といった結果でもなく、今回の東京知事選で勝利を収めれば充分五分の戦いといったことになったのではないかと思われる。

 

そうした中、なぜ、知事選挙の前日に代表選出馬せずの発表を行ったのだろうか。いくら「事実上の選挙戦も終わった」といっても、選挙民は投票所の前の写真を見ても、最後まで迷っている人は大変多い。

選挙運動をボランティアとして手伝っている人も、「事実上選挙戦は終わった」として選挙前日に選挙カーから降りて帰ってしまう人など一人もいないであろう。

 

先の参院選においても、自身の三重県で代表の信頼している候補者が万一敗れるようなことがあれば代表選には出ないというメッセージを流していたことが思い出される。

そんな発言をすればそれを聞いた相手方が勢いを持ち、ありとあらゆる策を講じてその選挙区で大将の首を取ろうとするだろう。

 

二大政党で政策について質の高い議論が十分になされることを国民は願っている。議論の末政権交代が実現され、国民はそうした選択肢を持つができることを切に望んでいるのだ。最大野党の党首にはそうしたことが早く実現するよう切に期待するところである。

多くの紆余曲折を経て、都知事選がスタートした。

今回の知事選においては、いくつかの大きな特徴がある。

まず第1には、野党の協力体制の下、統一候補者が一人に絞られ、対立の構図が明確になっていることだ。一方与党は、自民党の候補者が一人に絞れていない。いずれも知名度の高い人ばかりなので、浮動票の行方次第で3人の候補者に大きな影響を与えることとなるのだろう。

第2には、参議院選挙の直後の選挙であり、知事の選挙といってもそれ以上の重みがあることは間違いない。国会において自民党が3分の2の議席を取っている中、日本を代表する東京の知事を選ぶ選挙が直後に行われるわけだから、将来の国の在り方を決めようとする国政レベルの選挙に匹敵する大きなインパクトを日本社会に与えることとなるのだろう。

第3には、猪瀬、舛添という保守系の知事が二代にわたって政治資金の問題に絡み、辞職に追い込まれた結果の選挙ということだ。この「政治とカネ」の問題は、3候補とも重視しており解明並びに今後の対策が急がれるところだ。大きな資金力を抱える東京都としては、既得権やこれまでの様々なしがらみ等を断ち切り、透明性を徹底的に高める必要がある。都民はこの期待にどのような投票をするのだろうか。

第4には、オリンピックの問題だ。各候補とも透明性の確保、より効率的な資金の使われ方を唱導しているが、誰がどのようにして計画、予算をてているのか、全体の見直しを徹底して行っていくことが望まれるところだ。

 

地方自治の在り方がどうあるべきか、東京の知事を有権者がどのような期待のもとにどのように選択するのか、極めて重要な選挙になると考える。

当経済研究所の「イスラム国、後藤氏殺害」(2015年2月2日)の記事で、筆者は以下のような見解を記載した。

2015年1月16日から21日まで安倍首相の中東訪問に際し行われた総理の中東政策スピーチにおいて、

「イラク、シリアの脅威・避難民支援、トルコ、レバノンへの支援をするのは、ISILがもたらす脅威を少しでも食い止めるためです。地道な人材開発インフラ整備を含め、ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します。」(外務省HP)とあったことを、イスラム国は日本も十字軍に入ったと捉えたためだ。この中東政策スピーチがおこなわれた直後、1月25日には湯川氏が、そしてその1週間後の本日、後藤氏が殺害された。本日のNHKスペシャル、「追跡“イスラム国”」においても、日本の標榜するテロとの戦いが、米英仏に次いで具体的に示されたことにショックを受けている様子が報道されていた。テロに決して屈さず、卑劣な行為を封じ込めていくことは当然必要なことだ。しかしながら、人質を取られ、その中で人命尊重を重視していくことが必須の時、その表現の仕方やタイミング等は極めて慎重に行われるべきだろう。イスラム国からのメッセージには日本人全体を標的にするといった表現があり、テロの標的となることに十分な警戒が必要となっている。」

イスラム国からのメッセージには、「日本人全体を標的にする」といった表現があり、今回のテロは、そのようなメッセージが今も生きていることの現れと考えられる。

国際的に活躍をする日本人は急速に増えてきているし、今後もさらに増え続けていくことだろう。そういう人たちの命や安全を確保することは極めて重要だ。恒久平和を求め、武力による紛争解決をとらない日本の姿勢をさらに強めていくことは、そういうブランドイメージを強くアピールしていく上でとても大切なのではないだろうか。

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