時事問題

本年2月18日にマレーシアの空港で殺害された北朝鮮の金正男氏の遺体が北朝鮮に引き渡されることとなった。事件の捜査は引き続き行われるのだろうが、遺体の移送をもって事実上スローダウンすることになるのだろう。

それにしても、空港という監視カメラが多数設置されている中、しかも白昼雑踏の真っ只中で犯行が行われたのには驚く。独裁政権の不安定さを物語る一面が出ているのだろうか。

 

また、ミサイルや核兵器の実験など、繰り返し行われる示威的行動は大変困ったことだ。

北朝鮮のこの分野における技術力等は、かなりなものがあると推測すべきだろう。初めて核兵器が戦争に使用されてからすでに70年以上の年月が流れた。その後この分野で多くの国が心血を注ぎ更なる開発を行ってきているのだ。北朝鮮も多くの有能な科学者、技術者を投入し、研究開発に力を入れてきたことは容易に推測される。

 

もしも同国の暴走に歯止めがかからなくなり、核兵器の使用が真に懸念されるような万一のことがあった場合に、その可能性はどこに出てくるのだろうか。

その標的として考えられる国は、韓国? アメリカ? 中国? そしてその中に日本はまず絶対に考えられないと誰が言えるだろうか。

 

日本は防衛力を強化し、法律や場合によっては憲法まで変えて、力を誇示しながら問題解決を図るだけではなく、もっと対話や交渉をリードし、韓国、アメリカ、中国、ロシア、東アジア諸国とも連携を強め、平和的解決、平和的対話を強化していくことにもっと力を注ぐべきではないかと思う。

2017228日(日本時間31日)、米連邦議会上下両院合同本会議において、初の施政方針演説を行った。内容としては大統領選挙期間中に主張してきたことがほとんどであるが、大統領として議会で行う演説であり、まとまった中身を整理して述べている点、わかりやすいものとなっていると感じられた。

主な政策は、①国の安全、②経済の再生、③軍備と外交政策だ。

①国の安全は、移民関連法律の執行と治安の向上、メキシコ国境に壁を作る。

②経済社会の再生は、歴史的な税制改革、オバマケアの撤廃、TPPからの離脱、

社会基盤充実へ1兆ドルの投資。

③軍備と外交は、史上最大規模の国防費増額、同盟諸国に公平なコストの要求だ。

わかりやすく、かつ強力なメッセージを通じてアメリカファーストの考え方が示され、世論も前向きに評価しているようだ。米CNNテレビの世論調査では、約8割が前向きに評価している。

また、株式市場も好感を持って評価しているようであり、株価も高い水準で推移している。

しかし、演説には具体的な数字があらわされておらず、財源がどのように用意されるのか、明確にはなっていない。1兆ドルの投資、大幅な減税、最大規模の国防費、メキシコ国境の壁等々・・・。大変結構なことが記載されているようだが、官の世界における支出はそこから次の何らかの生産を引き起こすものではないケースがほとんどであることから、それが終わると大きな負債だけが残ることが多いのだ。

アメリカは長いこと財政と貿易という二つの赤字に悩まされてきた。そうした問題を最小限に収め、世界経済や平和のためにアメリカが大きく貢献していくよう、具体的な施策を練り、実現していくことを新政権に大いに期待している。

トランプ大統領による大統領令が矢継ぎ早に出され、世界中からの不安や不満の声が上がっている。確かにハードランディングの感がぬぐえない。大統領令は、議会の承認を得ることなく政策を実現する手段であるため、十分な議論を経ずに行われ、その結果として問題点についての審議や反対派の意見が取り入れられないといった民主主義の弱点を露呈してしまうことがあるのではないだろうか。

 

特に、本年1月31日には、トランプ大統領がシリアやイラクなど7か国の移民・難民受け入れを制限するという大統領令を発出したことについて、イェーツ司法長官代行がこの大統領令を法廷で弁護しないよう省内に指示したところ、トランプ政権はわずか1時間後にこの長官代行を解任してしまった。司法長官は行政府の人間だから、三権分立上の問題にはならないだろうが、司法省という立場からすればやはり独立性を十分に尊重された上で自身の信念に基づき判断すべき立場にいる役割を担っているのだと思う。そうした観点からすれば、議論を尽くすという民主主義の考え方を十分に尊重すべき事案なのだと思う。

 

アメリカは、第二次世界大戦後、世界のGDPの二分の一以上を持つという圧倒的な経済力と軍事力を持つ民主主義国家のリーダーであった。そのアメリカが世の中の重要な案件に対し、反対勢力も含め十分な議論を尽くさない、すなわち民主主義の基本をぐらつかせるような対応を行っていくこと自体、由々しき問題と考える。トランプ政権は、有能な人材をそろえているように思われるが、そうした有能な人材が、英知を結集して良い政策を実現してほしいと願うとき、その最大のポイントの一つが、民主的なプロセスを十分に踏むということであることを再確認してほしいと願うところである。

 

2017年1月20日、トランプアメリカ大統領の就任演説を聞いた。

大変わかりやすく、概括すれば次の5つのことを述べている。

 

第1は、この就任式は、「単なる政権交代をしているわけではなく、ワシントンDCから、国民である皆さんに政権を取り戻している」ということを述べている。

本当に大切なことは、どの党が政権を握るかということではなく、「政府が国民により統治されること」している。

第2は、「アメリカ・ファースト」だ。アメリカは、何十年もの間、アメリカ産業を犠牲にし、外国産業を豊かにしてきた。他の国々の軍隊を援助してきた。しかし、これからは新しいビジョン、「アメリカ・ファースト」がアメリカを治めることとなる。

第3は、保護主義だ。「貿易、税金、移民、外交についてのすべての決定は、アメリカの労働者と家族の利益のために下される。」「他国の暴挙から国境を守らなければならない。彼らは私たちの商品を生産し、私たちの会社を盗み、私たちの仕事を破壊している。保護こそが偉大な繁栄と力に繋がる。」

第4は、二つの単純なルールに従う。「アメリカ製の商品を買い」、「アメリカ人を雇うこと」だ。「私たちは古い同盟関係を強化し、新たなものを形作ります。イスラム過激派のテロに対し世界を結束させ、地球上から完全に根絶させます。」

そして第5に、アメリカ合衆国への忠誠心と、団結を訴えている。

 

就任演説は、上記理念を描いたものであり、特に第1は、日本国憲法にも書いてある民主主義の基本的な考え方を述べているものだ。トランプ氏がこのような民主主義の考え方を第1番目に詳しく述べている点は特筆すべきことであり、民主主義国家として大きな安心材料をもたらすところだと感じられる。

新年、2017年が始まった。

トランプ次期大統領に対する不安は払拭することは難しいが、それでもNYの株式市場は堅調であり、日本の株式市場もそれに引きずられるかのようにいたって堅調だ。

金利も世界的に低く、失業率も低い。

しかし、言うまでもなく、2016年に生じた世界的な国際経済リスクは、ゆっくりとしたスピードかも知れないが、不気味なモノを暗示している。

 

1つは何といってもアメリカの政治的な動きだ。トランプ氏はTPP反対、財政拡大、大幅減税、メキシコとの国境に壁を作る、日本の米軍基地の経費全額要求、自動車問題等、自身の考えを繰り返し主張している。近く行われる大統領就任演説や一般教書等で具体的な政策を明確にしていくのだろうが、アドヴァイザーたちも含め、どのような整合性のとれた政策として提示するのかを見ていく必要がある。

第2は、イギリスの連邦離脱だ。Brexit については、その具体的な法整備等を本当に行っていくのかどうかまた、最高裁判所がこれについてどのような判断をしていくのか、等紆余曲折はまだあるように思うが、世界に与える影響はやはり大きなものがあると思う。

第3は、中国の予想以上の経済の減速だ。ここ数カ月中国の外貨準備高は急激に減少しており、中国のバブル崩壊の様子が伺える。

第4、第5は、ヨーロッパの銀行不安、多くの選挙がある政治リスク。そしてエネルギー問題だ。

 

それに加えてシリアを中心とする難民の問題、さらに日本の-財政赤字の問題は、大きな

経済リスクを懸念させるものだ。

2017年。様々なリスクを上手に回避しながら、国際経済をうまく動かしていかなくてはならない。そうしたことが、変な形で民主主義を脅かすようなことになっては決してならないと思う。

日本におけるカジノ法案が、国会で審議されている。大変短期間の審議であり、問題も多いことから、マスコミをはじめ、慎重な議論を期待する向きも多い。

問題となるのはギャンブル依存症の増大が懸念されること、マネーロンダリングの温床となることへの不安、賭博罪との関係、経済成長に本当に資するかといった疑問等であろう。

韓国の江原ランド(カンウオンランド)は、よくマスコミでもとりあげているが、カジノの周りに質屋が並び立ち、質流れとなった車が、多数並べられている。

ギャンブル依存症の数は日本でも数百万人といわれ、自殺者や、ホームレスの数もカンウオンランドでも急増している。

そもそも、賭博罪は、通説は、公序良俗、すなわち健全な経済活動及び勤労への影響と、副次的犯罪の防止であるとしている(最大判昭和25年11月22日刑集4巻11号2380頁)。具体的には「国民の射幸心を煽り、勤労の美風を損い、国民経済の影響を及ぼすから」と説明されている

日本は競馬や競輪、オートレースやパチンコ等々すでにギャンブル大国になっているともいわれている。

本来の賭博法の趣旨をよく理解し、現在行われているギャンブルも含め、如何にしてギャンブル依存症の問題を最小限にするのか、今一度真剣に見直しをするべきではないだろうか。一人の自殺者も出さず、ホームレスや家族離散といった惨事を社会にもたらさぬよう、慎重に考えていくべきではないかと思う。

トランプ氏は、TPPに加わらないことを明確にしている。

しかしながら、どんな国でも貿易の必要性を感じない国はないだろう。

1929年10月、世界大恐慌が始まり、1932年、1933年の世界貿易は大恐慌前に比して約3分の一に激減した。主要国のほとんどがそのため経済苦境に陥り、経済不況の辛酸をなめることとなった。

 

その間ドイツにおいてはナチスの急激な台頭、そして1933年にはヒトラーの首相就任等、第2次世界大戦の勃発に向かってまっしぐらに走り始める。日本においても、1932年国際連盟脱退、同年満州国建国等、太平洋戦争勃発に向けて多くの事件が巻き起こっているのだ。保護主義はまた新たな保護主義を呼び、不況はさらなる不況をもたらすのだ。

今の世の中は、昔と違って簡単に戦争ができるといったものではないかもしれない。しかし、歴史は急速に戦争に向かっていった事実を示し、大きな脅威が控えていることを知らしめているのだ。

 

アメリカはこれまでにもモンロー主義など、アメリカファーストの孤立主義的な政策をとったことがあるのは事実だ。しかし、貿易のもたらす極めて大きな経済的なメリットを享受していくことは極めて重要である。実際にアメリカのビッグ3がアメリカで消費する車をアメリカに逆輸出しているようなケースも極めて多い。

トランプ氏がアメリカを豊かにしたい気持ちはよくわかるが、貿易のもたらす極めて大きなメリットを相互に交換することにより、グローバルな成長が早く実現できることを優秀なスタッフとともに再認識すべきだと思う。

 

世界の注目を集めた米国大統領選挙は、本年11月8日に行われ、予想を覆して、共和党のドナルド・トランプ氏が勝利した。

予想を覆してといっても、8年続いた民主党政権、さらに遡ればブッシュ政権が親子二代にわたり12年間、民主党候補者だったヒラリー・クリントンの夫、ビル・クリントンの8年間を思い起こせば、ヒラリー・クリントン氏から見れば随分と近い人たちがひしめいているところに立候補した感じがする。さらにヒラリー自身、オバマ政権で国務長官を四年間務めていたことを思えば、新しい政治に新しい風を期待し、アメリカ社会が望み適切な判断したのだとみることもできるだろう。

また、暴言を吐くトランプ氏に対し、多くのマスコミがクリントン氏側につき、クリントン氏を支持し、有利であるといった情報を流し続けていたことも予期せぬ結果を印象付けることとなった。

大統領選挙はおよそ2年にもわたる候補者選びから始まり、1年間以上にわたり全マスコミを通じ最終大統領の選択を全世界の注目の中、行うのだ。人々が考え、次の4年間を託す大統領を自分自身の一票を通じ選択するのだ。

 

トランプ氏は、幼少の頃から、70際に至るまで、ビジネスマンとしての人生を送ってきた。ビジネスマンは当然に収益を目指す。法人税を35%から15%にまで抑え、アメリカファーストの政策を追及し、不法移民者には塀を作り、在日米軍の費用は日本にもたせ、TPPは死に体、アメリカファーストの対外政策。最強の経済を作る。さあ一緒に稼ごう! といったところだろう。しかしそれと同時に「どの国とも公平に付き合うと国際社会に伝えたい」と表明している。

ビジネスには、公平で公正であることが欠かせない。日本も手強いビジネスマントランプ氏と五分以上に渡り合って強い日本経済を作っていくことが望まれる。真の意味でのギブアンドテイクの良き関係が構築されることが望まれる。大変楽しみなことだ。

 

オリンピックの会場問題が、IOC、東京都、準備委員会等、国際機関等も巻き込んで、大きな問題となっている。コストの問題、利便性、その他ゲーム上のルールや集客上の問題等ふくめ、様々な長短が指摘されることに起因しているのだろう。

それにしても、コストの見直しをすると、数十億円から、競技場によっては、数百億円から1000億円を超える数字の見直しがあり、理解に苦しむ。

新国立競技場一つをとって見ても、500億円から1500億円、3000億円から、また1500億円といった具合に見積もりが変わってきたことを我々は忘れてはいない。

 

このような数字は誰が、どのような根拠をもって見積もったのだろうか?

現在4者会議が行われているその数字は、誰が査定をし、信頼できる数字として認められてきたのだろうか。マスコミは出てくる数字をただ報道するのみで、どこの見直しや節約により、いくらぐらい減少させているのか明確にしていない。

 

例えば建物の見積もりをするためには、地中に何本の杭をどのような方法で打つのか、基礎工事にどれくらいのセメントを使い、どういう方法でどれくらいの基礎となる部分を作るのか、柱は何本でどのようにして支えるのか、屋根は、どのようにして支えるのか、内装は、トイレや、客席、更衣室、売店その他どのようなレイアウトにするのか等々、見積もりの中身を決めていくことから始まっているはずだ。もし、その具体的な見積もりの中で、コストの削減を図るのであれば、なぜ、数百億円も、あるいは1000億円以上も削減できるのか、根拠をしっかりと都民や国民に示すべきである。

バナナのたたき売りとは全く違うのだ。国民がきちんと比較ができるように、もっとオープンな形で、具体的な見積もりの違いを、国民に示すべきだと考える。

銀は9月21日の金融政策決定会合で、長短金利を政策運営上の目標とする新しい金融緩和の枠組みを決定した。

長期金利が年ゼロ%程度で推移するように国債を買い入れる。マイナス金利は据え置き.

そして、物価上昇率が安定的に2%を超えるまで緩和を継続する方針も明らかにした。

 

アメリカの金融緩和政策も成果を上げるのにかなりの年月を必要とした。政策の効果は期待に即するものであったと思うが、アメリカは昨年末やっとの思いで金利を引き上げたものの経済に力強さは明確には見えず、今年は再度の金利引き上げをみることはまだできていない。

 

日本の金融緩和は、2013年黒田日銀総裁が就任され、「異次元緩和」が行われて、大変大きな成果が出た。株価は8000円から21000円まで上昇し、資産効果を十分に感じ取ることができるものだったと思う。

それでも政府の目標とする物価目標上昇2%を達成することはできなかったわけだが、日銀はその理由として、①原油価格の下落、②消費増税後の消費停滞、③新興国経済の原則と国際金融市場の不安定化を上げている。さらにこれらの理由に付け足すとすれば、日本の場合特に、④高齢化と人口減少、⑤ITの進展による産業構造の変化、を上げることができるだろう。

資産価格を安定させていくことは実物経済を良くしていく上で大変重要なことだ。今回の緩和の枠組みは長期化を視野に入れ、市場の金利の動きを見ながらの調整を重視する方向転換だと思うが、そうしたやり方はマーケットに支持されているものだと考える。多少時間がかかってもこの方法で経済を温めていくことが今は必要なことだと思う。

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