48年ぶりに東京で開催されたIMF世銀総会では、世界経済の成長が減速していることに強い危機感が打ち出された。確かに日米欧ともに難しい問題を抱え、中韓を含むアジアや、途上国にも成長に陰りが見えてきている。日本も巨大な財政赤字に加え、高齢化の進展、人口の減少、円高、そして深刻なデフレ問題等にあえいでいる。

 

 

いうまでもなく、日本の経済成長は極めて重要な課題だが、経済成長を政策的に実現させるのはそんなに簡単なことではない。大きな技術革新が次々に起これば大きな経済成長も期待できるのだろうが、そのようなことを「経済政策として」期待することは出来ない。また、日本社会は高齢化が進み、総人口も減少していく過程にあることを考えると、自然体でいけば右肩上がりの経済成長はとても期待できる状況にはない。
このような中で、政府はどのような成長戦略を考えているのだろうか。その指針が明確に見えてこないのは大変残念なことである。成長戦略を官民の、また今回のIMFの委員会のような外国のエコノミストも含め、真剣に議論して明確な指針を作っていくべきだと思う。

 

 

一般論として述べるならば、経済成長を促していくためには、法人や個人事業主の決算を良いものにしていかなくてはならないと考えるべきだろう。すなわち、貸借対照表(BS),損益計算書(PL),そしてキャッシュフロー(CF)を良くしていくということが事業を活性化させ、経済成長をもたらしていくことになる。
家計や労働者の待遇等もよくする必要があるという議論もよく聞くが、家計や労働者等も何らかの企業や事業に属しているわけであり、そうした事業体の決算が良くならずして給与や賞与が良くなるわけもない。
BSを良くするためには資産価格の安定や保有や取引コストの軽減が重要だ。PLを良くするためには、世界一高いといわれる法人税や所得税の減税が必要だ。CFを良くするためには資産価格の安定化策のほか、日銀のもっと積極的な買いオペなども必要なことだと思う。

 

 

そうした観点からすると公共事業の拡大等はそうした事業の受注を受ける一部の人々を潤すにすぎず、マクロの経済政策としてはむしろマイナスの場合の方が多いのではないか。
経済政策の立案としては、上述のように企業等のBS,PL,CFを良くするという観点から政策に筋道を通して行っていくことが望ましいだろう。そうした道筋が見えれば、民間企業や金融機関も同じ方向を見ながら行動することができ、経済成長の実現が行いやすくなると思う。

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