経済産業研究所中島厚志理事長の論文に示されているように、下図が示す日本の政府債務残高の名目GDP等に対する推移は、明治23年以来太平洋戦争時を超えて、最悪の比率になっている。戦時中の経済規模が現在と比べて大変小さかったことを思えば、実額においては現在の国債発行規模が恐るべきほど大きいことは容易に想像できるところだ。

 

 

また同氏によれば、戦後の激しい物価上昇で、戦前や戦時中に発行された国債の実質的価値が99.7%も失われることになったとしている。子供の頃に、祖母からぼろぼろになった本物の国債を見せてもらったことがあり、その時の光景を今でも思い出すが、無価値となった国債を祖母ばかりでなく多くの国民がその負担として持つことになったのだろうと思う。

 

 

こればかりでなく、今日の日本国債の状況は国際的比較や悪化の速度等様々な指標において、日本の政府部門の債務が異常な状態にあることを物語っている。国債の発行残高の増大は、政府部門の業務の拡大、規制の強化、将来の増税を物語る。借り入れは必ず利息を伴って返還されなくてはならない。つまり、国債の発行は必ず将来の増税をもって支払われなくてはならないのだ。

 

7月21日、参議院選挙が行われ与党の大勝によりねじれは解消したが、国民がそれだけの強い権限を与党に与えた以上、与党はより強い責任と慎重さをもって政策を行っていかなくてはならない。太平洋戦争中の比率を超える政府債務比率をさらに超えて拡大を続ける政府の借金を見れば、戦時中の大政翼賛会のようになるのではなく、財政規律の強化、思い切った規制緩和による民間活力の活用等、真剣に行っていくべきであろう。

今回の選挙で大勝した与党に対し、国民はさらに厳しい目で大きな期待をしていると感じている。

shakai

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