政府は201536日(金)、新たな安全保障法制を巡る与党協議会において、集団的自衛権の行使に向けた法案の骨子を示した。新ルールにおいては、日本が武力攻撃をされていなくても密接な関係の他国が攻撃され、日本の存立を脅かす事態においては自衛隊が攻撃できるというものだ。

 

 

この骨子によれば、集団的自衛権の発動は、武力攻撃事態法に定める「新事態」に当てはまるかどうかで判断される。新事態は、①日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある。 ②ほかに適当な対抗手段がない。 ③必要最小限の実力行使だ。

 

 

しかし、問題は「日本の存立を脅かす事態」とはどのような場合をいうのかということだ。日本が直接攻撃を受けた場合なら相当程度明白であるが、密接な関係の他国が武力攻撃を受けた場合、また経済的攻撃やサイバー攻撃を受けた場合、IS国のような脅迫や口撃、あるいは歴史文化資産の破壊など極めて反社会的な卑劣な攻撃を受けた場合等、どこまでを「日本の存立を脅かす事態」と見做すかは、人によってかなりの差異があるのではないだろうか。

 

 

安倍首相の就任以来、憲法改正論議、2013126日秘密保護法成立、1226日靖国参拝、201417日安全保障局発足、220日集団的自衛権にかかる憲法解釈の閣議決定による変更、武器輸出を可能とする議論等、いわゆるタカ派的な発想が次々に打ち出されてきている。これに対し、韓国や中国のみならずアメリカやヨーロッパのいくつかの国からも懸念や批判が出てきており、諸外国との緊張は決して小さいとは言えない。

 

 

戦後70年にわたり、日本は平和憲法のもと何とかして銃から弾が飛び出ることの無いよう、あらゆる努力をしてきた。その結果として、自衛隊員は戦闘で敵を倒したことはただの1人もなく、また自衛隊員も一人も殺されることはなかった。この間平和憲法の果たしてきた役割は極めて大きい。安倍政権のもと、これとは違った方法で武力行使の新しい形を見出そうとするのだろうが、これまでの戦後日本のやり方を大きく変えていくことになる方策については、充分な検討と 、極めて慎重は判断が必要となると考える。

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