5月15日、安保法制懇は報告書を安倍首相に提出し、憲法解釈を見直すことで、集団的自衛権の行使の限定容認に向け、政府・与党で検討していく考えを表明した。戦後70年間、平和憲法のもとにとられてきた防衛政策が大きく変わることになるわけであり、様々な議論を呼んでいる。

 

 

そもそも日本は立憲主義をとっており、現憲法の前文や第9条に書かれている憲法の文言、そしてこれまで長きに亘って政府、司法、学会等が繰り返し表明してきた憲法解釈が歴史的にも明確に残っている。これを一内閣の閣議で変更することについては法曹界、学界、マスコミ等からも大きな疑問が寄せられている。

 

 

 

憲法の前文には、「政府の行為によってふたたび戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも

 

 

国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、…その福利は国民がこれを享受する。」とある。

 

 

また、第99条には「国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う」とあり、統治者側に立つものがこの憲法を守る義務を負っている。国民は信託する方であるから、この条文に「国民」は憲法を守る義務者としては入っていない。

 

 

 

集団的自衛権を容認するために、国民から「信託」されている平和憲法の解釈を同じ行政府の中の閣議でその「信託」の中身を変更してしまうことは論理的に見ておかしい。主権在民、そして立憲主義をとる民主国家日本としては、どうしても憲法解釈の変更が必要だというのなら、解釈ではなく、憲法改正の手続きを踏んで、防衛に関し国民が何を「信託」したいと考えているのかを問うべきであろう。

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