昨年末の総選挙は、解散表明がなされたのが11月18日、解散が11月21日、選挙の公示が12月2日、そして投開票が行われたのが12月14日であった。解散表明がなされてから1ヶ月も経たないうちにすべてが終わっているのだ。これでは本当の民意を問う姿にはなりようもない。争点が何かですら明確でないうちに国民は実質的な判断ができないまま無気力になっていくのだ。

 

諸外国においてはもっと民意をしっかりと聞く。個別事案ごとに民意を問う選挙が行われたり、世論調査機関が様々な事案を具体的な形で民意を確認し、マスコミがそれを大々的に報道するといったことが繰り返し行われる。典型的な例が、アメリカの大統領選挙だ。

 

アメリカの大統領選挙は言うまでもなく4年に一度であるが、大統領就任後2年後の中間選挙を終えたあたりから次の大統領を選ぶ候補者選びが始まるのだ。世論調査会社もそのころから2年間かけて、様々な世論調査を繰り返していく。民主党、共和党の大統領候補者たちも全米で自身の政策を直接国民に語りかけ、すべてのマスコミもそれを大々的に報道していくのだ。いわばすべてのマスコミを通じて大々的な政治教育が4年に一度あるいは中間選挙も加えれば2年に一度行われているということになる。

 

その中では、経済政策、税制、防衛、教育、公共事業、社会政策、医療、年金等々、すべての項目について誰がどのような考え方をもっているのか明確になる。また、議員たちも過去どの法案に賛成したか、反対したかすべて公表されている。

 

こうして明らかにされた政策を判断材料として、選挙民は投票を行うことができるのだ。

 

マスコミはテレビ、新聞、インターネット等を通じて総力を挙げて判断材料をわかりやすく提供する。4年に一度の国民に対する一大政治教育だ。米国人と議論していると小中学生でも、教育水準が特に高い層でない人々も自分自身のそれなりの意見を持っている。それはそうしたマスコミを挙げての大統領選挙そしてそれに伴う政治的大キャンペーンが莫大なコストをかけながらマスコミの報道を通じて行われているからではないかと思う。

主権在民の民主主義において国民の判断は極めて重要だし、それをどのように引き出していくかは大変大切な問題である。

諸外国の例も含め、国民に信を問う在り方は信頼のおける方法でなされるべきであるし、それを担っていくマスコミの役割は極めて大きいと考えている。

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