昨年行われた衆議院選挙において、民主党は231議席から57議席にまで議席を落とすという大参敗を喫した。逆に自民党は118議席から2倍以上の294議席まで議席数を伸ばし、政権を獲得した。
自民党総裁として総理大臣に選出された安倍晋三氏は、インフレ目標の設定、円高の早期是正、経済成長の早期実現等を打ち出し、その結果為替は急激に円安に振れており、また株価も上昇するなど、現時点においては国民の多くの支持を得ている。
昨年から今年にかけては、世界の多くのリーダーが新たに選出されたが、安倍晋三氏自身諸外国から注目を受ける中、日本国憲法の自主制定、自衛隊を国防軍とするとの提唱、靖国神社への参拝を早々に行う(2012年10月)等の姿勢を示している。
今年の7月頃には、参議院選挙が行われるわけだが、安倍政権としてはここで再度勝利すれば、ねじれ国会も解消され新憲法制定に向けての準備が整うことになろう。
そうした中、中国の領土問題に対する対応が大変厳しい。船と飛行機による領海領空侵犯が頻繁に繰り返され、その度に海上保安庁が警告を行ったり、スクランブル発進が行われるなどの対応がなされている。一方、安倍政権も警告射撃やF15の沖縄常駐を検討するなど、強気の姿勢を強めているように見受けられる。
ところで、領土、領海等の紛争は、歴史上様々なところで行われてきた。今年の1月6日のNYタイムスにも独仏間のアルザス・ロレーヌ地域の長きに亘る領土問題が尖閣との対比で書かれていた。領有権を争い、武器でその正当性を争うことはあまりにも犠牲が大きい。ヨーロッパにおいては2度の世界大戦という大きな代償を払った。その後、ECC、ECを経て現在はユーロに発展し、軍事力による紛争解決手段をとらないことを目指している。
EUの前身である欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)は、アルザス・ロレーヌ地域の石炭、鉄鉱石といった地下資源を加盟国が共同開発・共同利用することにし、この資源をめぐって起きていた百年以上にわたる独仏間の争いを終結させている。
EUは、このことを受賞理由として昨年(2012年)ノーベル平和賞を受賞した。
日本や中国、韓国、ロシア等もこのような歴史の教訓にしっかりと目を向け、決して高すぎる代償を払うことのないように、賢明な解決を見出していく必要があると思う。

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