日銀は連休前の4月28日、金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決め発表した。

2月に導入したマイナス金利の政策効果を見極めるということで、政策目標とする2%の物価上昇達成の時期を2017年度前半ごろから17年度中に再度先送りした。

 

株式市場は、現在の消費支出をはじめとする景気のもたつきや、熊本地震等の影響を軽減していく上で、サミットや参議院選挙に向けて、一段の何らかの金融緩和措置が発表されることが強く期待されていたところであった。しかし日銀からの説明では、「経済や物価の下振れリスクは引き続き大きい」としながらも、「必要と判断すれば追加的に金融を緩和する考えを重ねて表明」するにとどめる、という判断になったのだろう。

 

これを受けて、株式市場は4月29日500円超急落し、5月2日にもさらに500円超の下落となり、市場の失望を買うこととなった。さらに米国財務省は、4月29日、貿易相手国の通貨政策を分析した半期為替報告書で、日、中、独など5か国や地域を「監視リスト」に指定した。言うまでもなく円高は日本の輸出企業には大きな打撃であり、減益要因となる。そうした状況の中においては円高・株安の連鎖が止まらず、また「監視リスト」に指定されていること自体が市場における円高にさらに圧力をかけることにもなりかねない。

 

黒田総裁は「直近のデータを分析して最も適切な見通しをつくった。」と言っておられるが、おそらくその通りなのだろう。しかし過去のデータの分析だけではなく、市場の将来に向けての期待やシナリオ等、市場との対話を通じた対応も極めて重要である。

「必要と判断した場合には、ちゅうちょなく追加的な金融緩和措置を講じる」こともまさに必要なことだと思う。

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