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大統領令

2017年2月6日 | 時事問題

トランプ大統領による大統領令が矢継ぎ早に出され、世界中からの不安や不満の声が上がっている。確かにハードランディングの感がぬぐえない。大統領令は、議会の承認を得ることなく政策を実現する手段であるため、十分な議論を経ずに行われ、その結果として問題点についての審議や反対派の意見が取り入れられないといった民主主義の弱点を露呈してしまうことがあるのではないだろうか。

 

特に、本年1月31日には、トランプ大統領がシリアやイラクなど7か国の移民・難民受け入れを制限するという大統領令を発出したことについて、イェーツ司法長官代行がこの大統領令を法廷で弁護しないよう省内に指示したところ、トランプ政権はわずか1時間後にこの長官代行を解任してしまった。司法長官は行政府の人間だから、三権分立上の問題にはならないだろうが、司法省という立場からすればやはり独立性を十分に尊重された上で自身の信念に基づき判断すべき立場にいる役割を担っているのだと思う。そうした観点からすれば、議論を尽くすという民主主義の考え方を十分に尊重すべき事案なのだと思う。

 

アメリカは、第二次世界大戦後、世界のGDPの二分の一以上を持つという圧倒的な経済力と軍事力を持つ民主主義国家のリーダーであった。そのアメリカが世の中の重要な案件に対し、反対勢力も含め十分な議論を尽くさない、すなわち民主主義の基本をぐらつかせるような対応を行っていくこと自体、由々しき問題と考える。トランプ政権は、有能な人材をそろえているように思われるが、そうした有能な人材が、英知を結集して良い政策を実現してほしいと願うとき、その最大のポイントの一つが、民主的なプロセスを十分に踏むということであることを再確認してほしいと願うところである。

 

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