2015年4月30日未明(日本時間)、安倍首相はアメリカ議会上下両院合同会議において演説を行った。両院の議院員の揃う合同会議において日本の首相が演説を行うのは初めてのことであり、大変名誉なことだと思う。英語での演説は直接議員の胸に響くものであり、堂々と行われた首相の演説は格調も高く大変すばらしい出来栄えであったと思う。何回も繰り返し行われたスタンディングオベーションも議員たちの感激を率直に表していたと思う。

長い間日本には「顔」がないと言われてきたが、今回の首相の演説は見事に日本の「顔」として多くの人々に印象を残すものとなったと思う。

 

さて、それでは演説の中身についてはどのようなことが伝えられたのか。

日経新聞は、以下の4つのポイントを掲げている。

1.先の大戦に対する痛切な反省を胸に刻む。

2.アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目を背けてはならない。歴代首相と同じ。

3.日米同盟を強くする安保法制に取り組んでいる。必要な法案の成立をこの夏までに必ず実現する。

4.TPP、日米のリーダーシップで一緒に成し遂げよう。

 

ここで疑問に感じるのは2つある。一つは歴史問題。「痛切な反省」とは具体的にどのよう様な歴史認識をするということなのだろうか。歴代内閣の歴史認識を引き継ぐということは「侵略」やそれに対する「おわび」といったことを含む反省なのだろうか。歴史問題についてはアジア諸国の人々アメリカを含む戦争当事者の人達のことを思えば、あいまいにしていくことはできない。正面から真摯に向き合ってその中身をはっきりさせる必要があろう。

二つ目は、安保法制に対し、法案の成立を「夏まで」と明言したことである。国会の審議もなされていない時に成立の時期まで明言することに違和感を感じ問題視している向きも多い。主権は国民にあり、憲法は権力の暴走をさせないことを目的としている以上、国民の判断をしっかりと見極める必要がある。衆参両院で過半数を持っていれば何でもできるということではない。

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