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豊洲、検証へ

2016年9月20日 | 時事問題

豊洲問題について、連日マスコミに大きく報道されている。本件については、外部の有識者が市場移転問題全体を検証する、「市場問題プロジェクトチーム」。

土壌汚染対策検討組織である「専門家会議」。

市場移転の政策形成過程などを検証する「都庁内横断組織」の三つの新組織で検証が行われることになる。

大変結構なことだ。食の安全は言うまでもなく極めて重要なことだ。最大都市の台所として、ますます重要性を持つ東京の市場が、その信頼を失うようなことがあっては決してならない。是非とも性格で厳しい検証を行ってほしいと思う。

 

この検証については、次の二つのことを忘れてはならない。

1つは、計画策定にあたってのコストの検証だ。当然計画が変わったのだから、費用も大きく変わっているはずである。その差額はいったいどのように修正されているのか。見積もりや決済はどのようになされているのかという予算、決算のチェックだ。

2つ目はここで行われる検証は、オリンピックの検証にも十分活用すべきだという点だ。

都民や国民は、オリンピックで新国立競技場建設費用が莫大な金額で上下したことを決して忘れてはいない。また、地方の競技場や練習場の建設費、単一入札が多いこと、99%を超える落札が相次いでいる不可解等、様々な不透明な実態につき国民に説明していく必要がある。小池知事が行おうとしていることは大変良いことだと思う。

不透明さをなくし、丁寧に国民や都民にわかりやすく説明していくことは大変重要なことである。

世界中の多くの人々は、スポーツが大好きだ。世界的なレベルでの競い合いは、多くの人々を魅了し感動させる。特にオリンピックは様々な競技を見ることができて、何度見ても素晴らしいものは感動が薄れない。その裏にある、100分の1秒を競うための練習、そして100分の1点を競う練習の執念が、その競技を通じて我々にその気迫を見せてくれるからなのだろう。

 

しかし、そのスポーツの楽しさと、競技や運営に政治的、経済的、利権が絡んでくるような部分は、常に問題として感じられるところだ。本当は、数千億円の費用で、コンパクトな効率の良い設営を目指している説明をしていたのに、オリンピックが東京に決定すると、あっという間に2-3兆円の費用を想定するなど、ここぞとばかりに法外な予算を付けてくる。予算も一般の通常予算に計上されているものではないと言われており、普通の国民はなぜ予算額がころころ変わて行くのか理解できないでいる。

 

オリンピックには様々な工事が入り、広告が入り、多くのカネが入り、スポンサー企業が資金を提供し、そういうところに部分的にせよ関係する組織に身を置いている者は、その盛り上がりに違和感を感じたとしてもとても批判的なことは口に出せないという面があるのだろう。

 

ブラジルの世論調査でも、経済的にはマイナスだったとする人々が6割以上になっている。

東京オリンピックに対しても「日本は後進国でもないのに」異常に騒ぎすぎるといった声も少なくない。

当初の日本のスタンスを思い出し、コンパクトで少ない費用であったとしても、心のこもった「オモテナシ」ができることが最も望まれることではないかと思う。

金額的に節度のあるものだったとしても、スポーツで生まれてくる感動は決して色あせるものにはならないと思う。

小池東京都知事は、8月12日の定例会見で、都政の透明化に向けた「都政改革本部」を、9月上旬に稼働させると発表した。大変結構なことだ。重要なことは、知事が言うように都民や国民に対しても、実態がどうなっているのかを明確にし、わかりやすく説明することだ。

例えばオリンピックだけを見ても、エンブレムの問題や、国立競技場問題の迷走、地方の建設物、業者の選定、予算の査定の在り方、そもそも開催地「東京」を選ぶ際の多額のコンサルティングフィーの問題はどこへ行ってしまったのか、等々、都民や国民全部に対しても、十分にわかりやすく説明をしてもらう必要がある。選挙民はそれを冷静に待っているし、小池知事はそれを公約としている以上、うやむやな形で解決を図ることなど、とてもできないだろう。

 

築地市場の移転についてもわからないところが沢山ある。

巨額な税金が使われ、巨額な資金が動くときにはどうしてもそれに伴う利権が生まれたり、そのメンテナンスをはじめとする多くの関連事業が生まれ、情報が独占されたり十分な説明が行われなかったりという問題が生じることがないとはいえない。

そういった問題にしっかりとメスを入れ、透明で公正なプロセスが確保されることは、日本の社会にとって極めて重要なことだろう。

こうした問題に新都知事がしっかりとした対応を明確にしていくことは東京都のみならず日本全体の社会の在り方として極めて注目されるところだ。新知事の活躍に大きな期待をするところである。

民進党岡田代表は、東京都知事選挙の前日(2016年7月31日)、自身の任期満了に伴う9月の代表選に出馬しない意向を表明した。岡田氏は、「参院選で、どん底の状態から反転攻勢の一歩を踏み出すことができた。」としている。また、野党の共闘により一定の成果を出していることは最大野党の党首として評価できることでもあるだろう。

さらに、参院選も与党の大勝利といった結果でもなく、今回の東京知事選で勝利を収めれば充分五分の戦いといったことになったのではないかと思われる。

 

そうした中、なぜ、知事選挙の前日に代表選出馬せずの発表を行ったのだろうか。いくら「事実上の選挙戦も終わった」といっても、選挙民は投票所の前の写真を見ても、最後まで迷っている人は大変多い。

選挙運動をボランティアとして手伝っている人も、「事実上選挙戦は終わった」として選挙前日に選挙カーから降りて帰ってしまう人など一人もいないであろう。

 

先の参院選においても、自身の三重県で代表の信頼している候補者が万一敗れるようなことがあれば代表選には出ないというメッセージを流していたことが思い出される。

そんな発言をすればそれを聞いた相手方が勢いを持ち、ありとあらゆる策を講じてその選挙区で大将の首を取ろうとするだろう。

 

二大政党で政策について質の高い議論が十分になされることを国民は願っている。議論の末政権交代が実現され、国民はそうした選択肢を持つができることを切に望んでいるのだ。最大野党の党首にはそうしたことが早く実現するよう切に期待するところである。

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東京都知事選挙

2016年7月19日 | 時事問題

多くの紆余曲折を経て、都知事選がスタートした。

今回の知事選においては、いくつかの大きな特徴がある。

まず第1には、野党の協力体制の下、統一候補者が一人に絞られ、対立の構図が明確になっていることだ。一方与党は、自民党の候補者が一人に絞れていない。いずれも知名度の高い人ばかりなので、浮動票の行方次第で3人の候補者に大きな影響を与えることとなるのだろう。

第2には、参議院選挙の直後の選挙であり、知事の選挙といってもそれ以上の重みがあることは間違いない。国会において自民党が3分の2の議席を取っている中、日本を代表する東京の知事を選ぶ選挙が直後に行われるわけだから、将来の国の在り方を決めようとする国政レベルの選挙に匹敵する大きなインパクトを日本社会に与えることとなるのだろう。

第3には、猪瀬、舛添という保守系の知事が二代にわたって政治資金の問題に絡み、辞職に追い込まれた結果の選挙ということだ。この「政治とカネ」の問題は、3候補とも重視しており解明並びに今後の対策が急がれるところだ。大きな資金力を抱える東京都としては、既得権やこれまでの様々なしがらみ等を断ち切り、透明性を徹底的に高める必要がある。都民はこの期待にどのような投票をするのだろうか。

第4には、オリンピックの問題だ。各候補とも透明性の確保、より効率的な資金の使われ方を唱導しているが、誰がどのようにして計画、予算をてているのか、全体の見直しを徹底して行っていくことが望まれるところだ。

 

地方自治の在り方がどうあるべきか、東京の知事を有権者がどのような期待のもとにどのように選択するのか、極めて重要な選挙になると考える。

当経済研究所の「イスラム国、後藤氏殺害」(2015年2月2日)の記事で、筆者は以下のような見解を記載した。

2015年1月16日から21日まで安倍首相の中東訪問に際し行われた総理の中東政策スピーチにおいて、

「イラク、シリアの脅威・避難民支援、トルコ、レバノンへの支援をするのは、ISILがもたらす脅威を少しでも食い止めるためです。地道な人材開発インフラ整備を含め、ISILと闘う周辺各国に、総額で2億ドル程度、支援をお約束します。」(外務省HP)とあったことを、イスラム国は日本も十字軍に入ったと捉えたためだ。この中東政策スピーチがおこなわれた直後、1月25日には湯川氏が、そしてその1週間後の本日、後藤氏が殺害された。本日のNHKスペシャル、「追跡“イスラム国”」においても、日本の標榜するテロとの戦いが、米英仏に次いで具体的に示されたことにショックを受けている様子が報道されていた。テロに決して屈さず、卑劣な行為を封じ込めていくことは当然必要なことだ。しかしながら、人質を取られ、その中で人命尊重を重視していくことが必須の時、その表現の仕方やタイミング等は極めて慎重に行われるべきだろう。イスラム国からのメッセージには日本人全体を標的にするといった表現があり、テロの標的となることに十分な警戒が必要となっている。」

イスラム国からのメッセージには、「日本人全体を標的にする」といった表現があり、今回のテロは、そのようなメッセージが今も生きていることの現れと考えられる。

国際的に活躍をする日本人は急速に増えてきているし、今後もさらに増え続けていくことだろう。そういう人たちの命や安全を確保することは極めて重要だ。恒久平和を求め、武力による紛争解決をとらない日本の姿勢をさらに強めていくことは、そういうブランドイメージを強くアピールしていく上でとても大切なのではないだろうか。

イギリスのEU離脱の選択が世界中に大きな影響を与えており、株価の下落や為替の乱高下に人々は大きな恐怖を感じている。

もともとEUは、1950年ECSC(ヨーロッパ石炭鉄鋼共同体)、1957EEC(ヨーロッパ経済共同体)、EFTA(欧州自由貿易連合)、1967年EC(ヨーロッパ共同体)、1973年イギリス加盟、1979年-91年通貨統合(ECU)、1991年EU(ヨーロッパ連合)で活動してきた歴史がある。

戦争直後は、2度と戦争など起こさないために、ドイツを監視するために作られた経緯があり、関税の引き下げや廃止、、共同の通貨の使用、人の移動の自由化等を通じ経済を活性化し、復興を確実なものとし、ひいては世界の平和に貢献することを願ったものであった。

1929年の世界大恐慌が世界貿易を激減させ、世界戦争の大きな原因となったことへの反省があったことは言うまでもない。

くしくもアメリカ大統領選挙においてもトランプ氏が保護主義的な言動を強め、ここでイギリスも上記自由貿易の理念に消極的な印象を与える行動に出てきたのではないかと思わせることは世界中の人々に不安をもたらすものだ。

また、イギリスばかりでなく、ヨーロッパ各国からのEUに対する評価が必ずしも高くないことは憂うべきことだ。特にEUの規制が厳しいことに不満を持つ声は強い。また、EUには独自の大統領があり、多くの(約30000人?)に及ぶ職員がいることもそのコストを高め各国の経済的負担を重いものにしていると言えるだろう。

今後イギリスの国際社会における活動の姿がどのようなものになるのか誰もはっきりした姿は描けないが、EU側としても規制を緩和し、コストをできるだけ低く抑えるなどして加盟国の負担を下げることを実現していくことが必要であろう。

特に安全保障の観点からいっても英国が離脱することの影響は大きい。イギリスは、戦後ECSCやEEC、EC等を作り活動してきた「理念」を再度思い出し、国際社会が今後どのように協力し合い平和と繁栄を維持していくべきなのかを思い返してみる必要があろう。

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舛添東京都知事

2016年6月13日 | 時事問題

舛添東京都知事の問題が一向に収まらない。金額的には猪瀬さんの5000万円と比べても決して大きくはないが、都民が不快感を持ち続けているのは額ではなくもっと違ったところに不満を感じているからだろう。

それは、民主主義の根幹をなす、信託関係が損なわれていると感じる点に他ならないと思う。日本国憲法の前文には次のように書かれている。

「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであって、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。」とある。

 

「信託」とは、信じて託すること。知事としての仕事を舛添さんなら信じて託すことができると思い、多くの人が投票したのだ。金額がどうのこうの、変換すれば不適切は是正される、違法性があるとは言えない。等々。様々な議論はあるだろうが、民主主義の根本をなす、「信託」がもはやできないと有権者は感じているのではないかと思う。

誰が見ても不適切と思い、公私混同も甚だしいところに「信託」をすることはできない。

 

また、このように「信託」できない状況をもたらすような政治資金の在り方についてもこの際、根本的な是正を行う必要があり、本件の解決に際し、二度とこのようなことを繰り返さぬよう、この規制を厳重に行うことを確保すべきと考える。

今回の日本におけるサミットは、オバマ大統領の広島訪問もあり、歴史的な意味も深く持つ意義のある会議となった。伊勢志摩の気候も良く、日本の良さも堪能できるものであったろうと思われる。

しかし、5月29日(日)の16時から行われた池上彰氏の番組(16時、テレビ東京、夕方の池上彰ワールド)でも同氏が言っていたが、オバマ大統領の広島訪問という歴史的な出来事の陰に、サミット全体の印象が薄くなった感が否めない。池上氏も言っていたが、アジアからの首脳も来ていたということさえ多くの人は知らなかったのではないだろうか。

 

それぞれの首脳は、オバマ大統領はアメリカの次の大統領のことを、イギリスはEU離脱問題、ドイツは難民問題、オーランド氏は急激な支持率低下を、カナダは自身の結婚記念日、安倍首相も消費税と次の選挙が、それぞれ気がかりだったかも知れない。

西欧においては首脳同士いろいろな機会によく会っていると聞いた。どのくらいの頻度かは知らないが、おそらく仰々しくない感じでお互いに時々会って様々なことを話し合っているのだろう。日本は離れた島国であるため、どうしても構えた形になってしまうのではないだろうか。食事は何か、お土産は何か、夫人のおもてなしは何か等々、大切なことだとは思うが、それぞれの首脳が思い悩んでいる問題を気楽に相談にのってあげられるような会合を持つことも必要なのではないかと感じるところである。

イギリスの大手新聞社「ガーディアン」は、2016年5月12日、「2020年の東京オリンピック招致を巡り、招致委員会側が当時の国際オリンピック委員会(IOC)の委員で、国際陸上競技連盟(IAAF)の会長を務めていたラミン・ディアク氏の息子が関与する口座に130万ユーロを支払った疑惑があると報じた。」また、日本の複数のマスコミでも「すでにフランス当局が捜査を開始している旨、報じている。

 

また、日本の招致委員会で理事長を務めた日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長は、13日、東京都内で「業務に対するコンサルタント料で問題があるとは思っていない。招致活動はフェアに行ってきたと確信している」と送金の事実を認めている。

また、萩生田光一官房副長官も「正式な業務委託に基づく対価として支払った。適切な商取引だ」と記者会見で述べている。

 

これは由々しき問題であろう。疑惑を晴らすためには、この金は実質的に誰に渡されたものなのか、どういうことを期待したものか、どういうルートを通じて渡されたのか、相手方はどういう権限を有する者なのか、さらにどのような具体的な業務をサービスとして受けたのか、どのような技術やノウハウの提供を受けたのか、「正式な業務委託」の中身は具体的にはどのようなものか、その中身のボリュームは渡した対価として妥当なものと考えられるか等々、直ちに検証を行い、国民に対しわかりやすい説明を早急に行うべきである。

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