2016年のアメリカ大統領選挙も、民主、共和両党の候補が決まり、いよいよ最終段階に入ってくる。大統領選挙は4年に一度、国を挙げ、マスコミを上げての大政治教育でもあり、アメリカ国民は子供たちも含めて、大変貴重な政治選択を学ぶことになる。

 

今年は、共和党ドナルド・トランプ氏と、民主党ヒラリー・クリントン氏だ。

アメリカ人は選挙結果を見ると大変バランスよく両党から大統領を誕生させており、一つの党に連続して政権を持たせることはしていない。そうした観点からすれば、8年続いた民主党オバマ政権に続きさらに民主党の大統領を選ぶことは考えにくいところだろう。

 

一方、トランプ氏に対する日本のマスコミの評価はかなり低いものがある。暴言がひどすぎる、経験がなさすぎる、日本への風当たりが強い、交渉チャネルがなく日米関係の安定に不安が残る等々。しかし、大統領が変わると各省の幹部も大幅に交代し、それなりの人々が要職に指名を受けるのだ。それほど安定度が急に損なわれるといったことは考えにくいところだろう。

それより、アメリカ人は民間の経験を持つトランプ氏は、もっと効率がよく、既得権益から離れ、民間の発想を取り入れ、政治的にも新しい発想で、“Change” を実現してくれる人と期待している表れなのではないだろうか。

そうであれば、日本も変にアメリカ一辺倒のような過剰な日米関係に期待を続けるのではなく、より自主的な日本の立場を明確にしていくべきなのではないだろうか。日本が新しい発想を持ち行動していくことによって新しい国際関係を樹立していくべきなのではないかと思う。辺野古などに唯一の選択肢と異常に固執していく理由も薄らいでいく可能性もあるだろう。アメリカも日本もより自主的にしかも合理的に判断していくことにより、良い意味での“ギブアンドテイク”の関係が構築されていく良いチャンスととらえるべきなのではないかと思う。

日銀は連休前の4月28日、金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決め発表した。

2月に導入したマイナス金利の政策効果を見極めるということで、政策目標とする2%の物価上昇達成の時期を2017年度前半ごろから17年度中に再度先送りした。

 

株式市場は、現在の消費支出をはじめとする景気のもたつきや、熊本地震等の影響を軽減していく上で、サミットや参議院選挙に向けて、一段の何らかの金融緩和措置が発表されることが強く期待されていたところであった。しかし日銀からの説明では、「経済や物価の下振れリスクは引き続き大きい」としながらも、「必要と判断すれば追加的に金融を緩和する考えを重ねて表明」するにとどめる、という判断になったのだろう。

 

これを受けて、株式市場は4月29日500円超急落し、5月2日にもさらに500円超の下落となり、市場の失望を買うこととなった。さらに米国財務省は、4月29日、貿易相手国の通貨政策を分析した半期為替報告書で、日、中、独など5か国や地域を「監視リスト」に指定した。言うまでもなく円高は日本の輸出企業には大きな打撃であり、減益要因となる。そうした状況の中においては円高・株安の連鎖が止まらず、また「監視リスト」に指定されていること自体が市場における円高にさらに圧力をかけることにもなりかねない。

 

黒田総裁は「直近のデータを分析して最も適切な見通しをつくった。」と言っておられるが、おそらくその通りなのだろう。しかし過去のデータの分析だけではなく、市場の将来に向けての期待やシナリオ等、市場との対話を通じた対応も極めて重要である。

「必要と判断した場合には、ちゅうちょなく追加的な金融緩和措置を講じる」こともまさに必要なことだと思う。

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パナマ文章

2016年4月12日 | 時事問題

パナマの法律事務所であるモサックフォンセカにより作成された、オフショア金融センターに関する膨大な機密文書が公表されたことが大きく報道されている。

2016年4月10日(日)読売新聞朝刊によれば、流出した情報量は全体で2.6テラバイト、電子メールが約480万件、社内データベース資料が約305万件、画像約110万件という膨大なものである。さらに、関連企業・個人リストの完全版は本年5月にも公開される予定だとも報道されている。

 

これだけの情報が外部に出ることによる影響は決して小さくない。租税回避の国際網は税逃れの不公平、不公正、貧富の格差のみならず民主主義を揺るがす問題にもつながるからだ。また、特に各国の首脳や、首脳の家族またその関連企業の名前等が上がってくると、富の偏在、格差、対立の火種ともなりかねない。

租税回避については以前から不公平、不公正、マネーロンダリング等種々の問題が指摘されているところであり、この事実関係の解明は今後の社会の発展においても極めて重要な要素を持っていると考えられる。

それに加え、各国の税制に大きな差があることもこういう問題を惹起する下地があると思う。それぞれ、の税制の国際競争力といった問題も併せて考えていく必要があるだろう。

国民はこの問題に関し、しっかりと注目していく必要がある。

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報道の自由

2016年3月22日 | 時事問題

トルコで報道の自由に対する懸念が広がっていると伝えられている。昨年10月、(2015年10月28日)警察機動隊が反政権側のテレビ局2社の本社に突入し、放送を中止させたと報じられている。また本年においても、数週間前にトルコ最大の放送局が政府によって国有化されたと日本のテレビニュースでも取り上げられていた。テレビでインタビューを受けた男性は、これでトルコには民主主義がなくなったと嘆いていた。

 

民主主義は、様々な情報が十分に国民に入手され、それをもとに国民が自由に判断できることが重要である。報道は政府に迎合することなく、むしろ客観的な目で事実を分析的に伝えていくことが必要だ。逆に政府の方針に沿うことばかりを考え、大本営発表をそのままうのみにして伝えていくようなことでは、マスコミの役割を果たしているとはいえないであろう。

 

別の言い方をすれば、社会主義国家や独裁政権においては情報の統制を行わずに政権の運営を取っていくことはできないのだ。自由で民主的な社会を作っていく上では、表現の自由、言論の自由、そして報道の自由は欠かすことのできないものだ。

国民が統治する者を監視し、チェックを行っていくことはこのように極めて重要だ。

先般、高市総務大臣が放送法について個別の番組についてもしっかり見せてもらいます、といった趣旨のことを言っていたが、視点が反対向きになっている印象を否めない。

3日ほど前、交通違反切符を切られた。

東京都新宿区新宿1-8-5ローソンのある交差点だ。普段は通らない道路で警官がなぜか多くいる印象だった。右折をしようと思い信号機の道路標識を確認して慎重に曲がったところ、2人の警官が自転車に乗って追いかけてきて、交通違反だと言う。

自分は信号のところで標識を確認した上で右折をしたのだと説明したところ、「その前に直進のみの標識があるのだ。今から確認しに行こうか」と自信をもって言う。

帰りに確認したところ、気に隠れて見えにくいが確かに直進のみの標識があるが、交差点にあるわけでないので普段慣れていない人にとっては間違えやすいところに立っているのだ。帰りの道で再度確認した時にはさらに婦警さんの乗った車までそのところで違反の取り締まりをしており、間違える人が多いところを重点的に取り締まっている感じであった。

いわゆるドル箱路線、ドル箱重点個所になっているようだった。

なぜ初めから警官が何人も待っているのであれば、右折の際10台位は反対車線が通過するのを待っていたのだから、その間私に対して笛を吹くなり、合図を送るなりして直進するように指示を与えてくれてもよいのだろうに、曲ったのを確認してから違反だというのはいったいなぜなのだろう。

 

10日ほど前、テレビで「ぶっちゃけ」トークの番組で元白バイ警官が、「ぶっちゃけ、交通違反にはノルマがあるんですよ。」と笑いながら言っていた。

そうだとすると、もう警官は何のために交通違反の取り締まりをやっているのかわからなくなる。

確かに、甲州街道初台の方から新宿の駅を超えるところや、246号線の渋谷を過ぎて青山通りに入るところ、飯田橋の一次停止の標識等々都内でもいたる所にわかりにくく、違反の認識もなしに捕まってしまうところがたくさんある。

 

交通ルールを守り、安全な運転がなされることは大切なことではあるが、もっとわかりやすい標識を出し、ドル箱路線で多く捕まえることを優先しているような発想を根本的になくすようにしていかなければ、市民の真の納得は得られないのではないだろうか。

1990年以来、日本経済にその力強さは見えない。

日本のGDPは25年前も今も約500兆円のまま、税収も1990年の60兆円以来一度もその税収額を超えたことがない。

その間、財政出動と称して極めて多額の公共事業等の支出が行われてきたことは周知のところだ。結果として国債等政府部門の長期債務残高はGDPの2倍以上、1000兆円を超えている状況にある。

 

古くは「日本列島改造論」に代表される道路や、鉄道、空港、ダムといった公共事業が、景気対策の名の下に行われてきたが、それがどのような効果を上げてきたかは必ずしも定かではない。ただ結果として極めて多大な国債残高が残ったことは紛れもない事実である。

 

政府支出が行われるということは、その事業に対する監督官庁ができることであり、その権限、管理、監督、メンテナンス等がその官庁や関連する団体等を通じて永続的になされることになる。当然、天下り等の可能性も増えることとなろう。

今脚光を浴びている政府支出として話題になる、オリンピック(文科省)、リニア新幹線(国交省)、辺野古工事(防衛省)、復興支援、耐震構造工事(国交省)、原発再稼働(経産省)、マイナンバー制度(内閣府、財務省)等々、官主導の大掛かりなプロジェクトが行われていくことが多方面にわたり行われている。

 

冒頭書いたように、過去4半世紀余りにわたって日本経済が停滞している折、真に必要なことは公共投資等による官主導の経済の活性化を図ることではなく、減税等を通じて、真に民間のエンジンを本格的に点火させることだ。1000兆円もの資金を民から官へ吸収し、さらに消費税を増税して民間から官の世界に資金を吸収していくのでは、民間企業による真の経済発展を期することは大変困難なこととなるのではないだろうか。

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政治家の不祥事

2016年2月22日 | 時事問題

政治家の不祥事が絶えない。最近では宮崎議員の不倫、議員辞職に加えて、丸山弁護士がいやしくも一国の大統領を指して、奴隷といったことなど、議員としての資質が問われるような言動が続いている。

少し振り返れば、鈴木章浩都議会議員が議場でセクハラヤジを飛ばして謝罪をしたり、野々村兵庫県会議員が起訴されたり、今年に入っては青森県平山市長選に関して15人の市議会議員が逮捕されたり、また、甘利大臣が辞職を余儀なくされ、高市法務大臣、丸川環境相がマスコミ等から発言につき疑問を呈せられたり、武藤議員も離党を余儀なくされたり、覚えきれないほどの不祥事が起こっている。

国民は憲法にある基本的人権の確保を国会に対し信じて託しており、それが資質の低い人々によって十分に確保されないようでは、民主主義そのものが十分に機能しない懸念が出てくる。

一旦議員に当選すると、任期中は議員間の競争が働きにくくなることから、気が緩むといったことがあるのだろうか。

そういったこともあってか、内閣支持率も敏感に落ちてしまっている。

特に与党が多数を持っていれば、与党の幹部の人たちの投票行動を見ているほうが、国民の関心を見ているより、自身の議席を守っていく観点からすれば効率が良いということになるのかもしれない。

国民はこういった状況に際し、その投票行動や、政策についての議員一人一人の考え方等につきよく監視をしていく必要があると思う。

政治とカネの問題は、古今東西を問わず極めて大きな問題である。

公務員たる者が、国民全体の利益ではなく、自分自身の利益や自分の所属する組織の利益を優先してしまったらもう終わりである。公務員の権限は極めて強く、扱う金額も大変大きく、そして関連する情報や知識も絶大であるからだ。

このような権限を持つ公務員が自身の利益を守ることを優先するなら、それは民主主義の根幹を揺るがすことにもなるだろう。

天下りを多くの人が嫌うのも、自身や自身の属する利益を優先する仕組みやその姿勢を感じ取るからだろう。

 

また、政治家は不祥事が取り上げられた場合、秘書のせいにするといったことが大変多く見受けられるわけだが、何らかの利益を提供するのは見返りに何らかの利益をもたらす権限であることは言うまでもない。何らかの利益をもたらすために見返りを期待するのは、権限を有する源泉であるバッジであり、ポストであることを明確に認識する必要がある。

 

極めて不愉快な政治とカネの問題を根絶するために、厳正な調査、捜査のもとに社会全体が極めて厳しい姿勢で臨んでいくべきである。民主主義を守っていく上においても極めて大切なことだと思う。

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株式市場の低迷

2016年1月22日 | 時事問題

2016年という新しい年を迎えて以来、株式市場の低迷が続いている。昨年12月にアメリカの金利が引き上げられたことが、トリガーになっているようにも見える。

アメリカの雇用は良くなってきていることは間違いないだろうが、それでも経済成長率は3%にすら満たないのだ。

中国経済の減速、原油をはじめとする一次産品価格の大幅な下落、北朝鮮問題、イスラム、各地に発生するテロの脅威等、様々な事象が複雑に絡み合いながら株式市場に影響を与えているのだろう。

数年前まで大変有望と目されていた中国、ロシア、ブラジル、南アフリカ等の経済は今はかつての面影をひそめ、成長に大きな影が差しているように見える。先進国諸国においてもそれらの影響のもとに日米欧ともに2-3%の成長すら思うに任せない状態なのだ。

 

中でも日本経済の低迷は1%に届くかどうかといった深刻な状況だ。しかもこれは今年だけの問題ではなく、1990年から25年間以上にもわたり、GDPがほとんど上昇していないという驚くべき実情にあるのだ。

日本は、5%から8%への消費税増税の影響を受け、マイナンバー制度の導入、そして8%から10%への再度の増税を控えている。国債の残高もGDPの2倍を大きく超えている状況にある。経済全体が官によるコントロールに大きく依存することにより、民間主導の本格的なエンジン稼働に及びにくくなってきていることが経済成長に重しとなっているのではないかと危惧されるところである。

一刻も早く規制を緩和し歳出を思い切って削減することが急務である。

皆、自分たちは良いことをやっていると信じている。しかし、市場は大変正直だ。株式市場の低迷は、現在の経済運営に大きな警鐘を鳴らしていると言えるだろう。

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新国立競技場

2015年12月24日 | 時事問題

A 案は、設計士の隈研吾氏、大成建設、梓設計のチーム。

B 案は、伊東豊雄氏、竹中工務店、清水建設、大林組に、日本設計のチーム。

前回やり直しとなったコンペから、ザハ・ハディド氏を除けばほぼ同じ形のコンペとなる。

610対602わずか8ポイントという僅差で前回の結果と同様A案チームの勝ちとなった。

前回大成建設はザハ・ハディド案でもスタンド工区を担当していたとのことであり、ザハ・ハディド氏は同氏の案と似ているとコメントしているが、A案チームには蓄積した経験が会って、工費、後期縮減への信頼性を高めたのかも知れない。

 

この新国立競技場については、以前にも指摘したが、2つの問題が依然として残っているように思う。1つは、金額の問題だ。ロンドンや北京の競技場建設コストが約500億円なのに対し、なぜ東京はその3倍にもなるのか。贅沢をすればきりもないが、なぜもっと低いコストで抑えることができなかったのだろうか。政府が最高価格を1500億円と公表すればコンペ参加者もそれを目安に票を入れてくることは当然だろう。

 

もう一つの問題は、なぜ旧国立競技場を議論の最中に突然解体してしまったのかという問題だ。解体費には相当の金額がかかっているわけであり、これを決定し、契約書に署名捺印した人が多数いたはずだ。それは誰によりどのようにして決定されたのだろうか。

この上記2点については、国民には再度きちんと説明がなされるべきだと思う。

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