­高サービス高負担か、例えサービスが少なくても小さな負担のほうが良いか。

よく聞かれる質問だ。一般論としては材が市場メカニズムの中で効率よく使われるのが望ましく、官の中で使われるのは限定的にされるべきであろう。もちろん市場経済になじまない防衛やごみ収集、低所得者に対する生活保障といった何等かの政策目的がある場合には市場経済の論理だけで考えるわけにはいかないが、それもできるだけ最小限に効率よくなされるべきであろう。

 

経済成長のための政策としてみた場合、官の世界で中長期にわたり民間経済を引っ張っていくことは容易なことではない。何といっても民間の全体の力が経済成長をもたらす主体となって消費と投資を行う形になっていかなければ本当の成長は難しいだろう。そうした観点からすれば、政府は上から目線で規制を強め、規制を強化していくのではなく、できるだけ規制を緩和し、税負担を引き下げ、自由な経済環境を作り出していくことに主眼を置くべきである。

 

マイナンバー制度や消費税10%までの引き上げは、中小企業や低所得者にとってはかなりの負担増になることは間違いないだろう。8%に引き上げた時には日銀の大幅な金融緩和やそれに伴う株価の上昇が大きな追い風となったが、次回引き上げ時には同様のことが期待できるとは限らない。そうした中、来年度の法人税の引き下げは大変大きな意味を持つだろう。法人税減税により、企業の負担が実際によくなり経済に好影響を与えていくことが、日本の経済を良くし、国際競争力を高める上でも好影響を与えることが期待される。

 

さらにより重要なことは歳出を根本的に減らすことだ。本格的な高齢化社会に入り、医療や介護等を含め社会保障費が急増していく折、公共事業を中心としたあらゆる歳出を本格的に見直し、各省庁主導の歳出の削減を目指し、競争力のあるより効率の良い「小さな政府」を徹底して目指すべことが望まれるところである。

2015年は大変に重大なニュースが多くあった。気が付くままにその主なものを並べると以下のようなところか。案件、要点のみ並べてみた。十大ニュースに収まらず、二十大ニュースになってしまった。今年も後一カ月、少しでも明るいニュースを望むところだ。

 

1.2015年1月7日 フランス、シャルリエブド社をアルカイダが銃撃。12人が死亡。

2.後藤、湯川氏をイスラム国が誘拐。身代金2億ドルを要求。その後殺害。

3.2月、ウクライナ紛争。ロシア派クリミア半島占領、住民投票により併合。

4.統一地方選、与党圧勝。橋下氏、大阪都構想敗れる。

5.ドローン、官邸に落下。イスラム国侵攻強める。中国、南沙諸島埋め立て本格化。

6.6月、日本年金機構125万人の個人情報流出。

7.安全保障法制国会審議。9月下旬成立。大規模反対デモ拡大。

8.国立新競技場建設、オリンピックエンブレムを巡り、国民の大批判。再度やり直し。

9.イスラム国テロ、世界中で相次ぐ。クェート、フランス、チュニジア、エジプト等。

10.ギリシャ債務不履行。

11.いじめ、年少者(子供)の自殺、奇怪な殺人等相次ぐ。オレオレ詐欺等拡大。

12.大噴火、地震等多発。サンチャゴ、ネパール、パキスタン

箱根、鹿児島、口永良部島、小笠原、浅間山等。

13.TPP 大筋妥結。

14.日本ラグビー大活躍。

15.中国人爆買い。外人観光客激増。

16.マイナンバー制度始まる。

17.ミヤンマー、スー・チーさん選挙で大勝利。

18.7-9月期GDP前期比2%減。2四半期連続でマイナス。中国経済減速。

19.大阪維新の会、大阪府知事、大阪市長ダブル選挙で圧勝。

20.利根川で老夫婦とその娘が一家心中図る。認知症、介護疲れ、生活苦か?

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パリ同時テロ

2015年11月16日 | 時事問題

2015年11月13日金曜日、IS国によるパリ同時テロが起きた。多くの人々を無差別に殺傷するテロ行為は、世界を震撼とさせている。

フランスは、週刊誌「シャルリエブド」がイスラム預言者の風刺画を掲載し挑発をしたことで、今年1月に襲撃を受けている。また、フランスはイスラム過激派を攻撃するため、マリに軍事介入したほか、ISへの空爆にも参加している。

 

テロは、アメリカ、英国(ロンドン)、スペイン、トルコ、さらには今年10月のロシア機墜落、今月12日のベイルートでの自爆テロなど、世界中に拡散している。憎しみはさらなる憎しみを生み、報復はさらなる報復を生み出していく。

何の罪もない人々が無差別にその生命を奪われる悲劇は許しがたいことではあるが、復讐の連鎖は何としてでも止めていかなくてはならない。

 

テロは日本とは無関係とは言ってはいられないだろう。こうした問題に具体的にどう対処していくべきか日本も真剣に考えていかなくてはならない。

先般集団的自衛権にかかる安保法制が国会でなされたところであるが、「国家の存立を脅かす場合」とは何かを具体的に判断し、日本も本当に軍事力を使っていこうとするのか、あるいは「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と書かれた日本国憲法を守っていくのか、具体的に真剣に考えていかなくてはならないと思う。

日本でも人気の高い、ミャンマーの非暴力民主化運動の指導者、アウンサー・スーチーさん率いる国民民主連盟(NLD)が民主化を勝ち取るか否かをかけた総選挙がきょう実施された。あと数時間の内にも結果が出るだろう。長い軍事政権を経て、今日どのような結果となるのか、世界が注目するところである。

 

日本のような民主主義国家からすれば、民主的な社会は人々が自由に暮らし、基本的人権が守られていることは当然であり、そのような国が数多く誕生していくことは何といっても重要なことだ。スーチーさんも長い間非暴力民主化運動を指導してきたが、すでに70歳となっている。早く民主化を実現したいとの思いは強く伝わってくる。

 

ミャンマーの民主化は、一国のことにとどまらず、他のアジア諸国にも様々な影響をもたらすであろう。おりしも中国と台湾のトップ同士が戦後初めての会談を行ったところであるが、中国のような巨大な国が、民主主義とは異なる政治体制をとっていることには、民主主義体制を持つ諸国から見ればとても理解しがたいところだ。台湾との関係、香港との関係、また北朝鮮との関係等アジア諸国でもっと強力に平和かつ協力的な関係を築いていく上で、同様の価値観を共有していくことは大変に意義のある所だ。

ミャンマーの選挙が、近隣諸国に対しても良い影響を与えることを願うところである。

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郵政3社の上場

2015年11月4日 | 時事問題

明日(2015年11月4日)、郵政グループの内、日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険の3社が上場する。郵便局は全国に24000、従業員は23万4000人、総資産は約300兆円にも迫ろうという巨大企業だ。1871年前島密が郵便事業を創業して以来の、長い歴史も持っている。小泉政権以来、民営化に向けた議論が長く行われてきたが、いよいよ民営化の第一歩が実現されることとなった。

 

国民にとっては極めて貴重な財産だ。民営化を通じて、より効率的な経営が行われ、より市場経済に根差した日本経済全体に、より大きく貢献する貴重な企業と進化していくことを願っている。多くの国民に株式を譲渡する以上、重要なことは言うまでもなく企業価値の最大化だ。

 

郵便事業については、先日オーストラリアのトール社を買収し国際エクスプレス事業の拡大に向けて方向付けを打ち出している。大いに期待するところである。また、長年にわたり保有を続けてきた全国の主要駅前の不動産の活用も大きな収益をもたらすだろう。

金融も、国債で安全に運用するといったビジネスモデルから、郵便局ネットワークの活用に本腰を入れ、投資信託の販売等、資産運用ビジネスの展開を目指すことにも取り組んでいくだろう。

 

郵政グループの市場経済に根差したビジネスモデルへのシフト、ガバナンスや効率的な組織作りに対する意識改革等、国民の大切な資産であるこの巨大企業の民営化に対する期待は、極めて大きなものがあると考えている。

9月24日、安倍首相は自民党総裁に再選され、会見を開いた。首相は「一億総活躍社会」のスローガン、そのための「新三本の矢」を発表した。
「第一の矢」は「希望を生み出す強い経済」。「戦後最大の国民生活の豊かさを目指す」としてGDP600兆円の目標値を明らかにした。
「第二の矢」は「夢をつむぐ子育て支援」。「希望出生率1.8の実現」、「教育再生」を掲げた。
「第三の矢」は「安心につながる社会保障」。「介護離職ゼロを目指す」「ずっと元気で生涯現役社会」を掲げた。

 

これまでのアベノミクスの三本の矢は、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略であったが、これを新三本の矢と比べると、その表現においてかなりの違和感を感じさせるものとなっている。

なぜならば、これまでの三本の矢には、金融政策、財政政策、成長戦略といった、マクロ経済政策の活用という「手段」を書いていたのに、新三本の矢には、手段ではなく目標や将来へ「目指していること」等を述べているからである。

例えばGDP600兆円をいつまでにどのような手段で実現しようとするのか。希望出生率1.8%はいつまでにどのような政策で実現しようとするのか、「ずっと元気で生涯現役社会」の具体的中身はどういうことであってそれをいつまでにどのような政策手段で実現しようとするのかといった手段に関することである。

 

「一億総活躍社会」の実現というその中身がよくわからないと同様、「新三本の矢」は政策を語ろうとしているのか、夢やスローガンを述べようとしているのか、よくわからない。

与党である政党として、単なる目標や夢を記すのではなく、政策の在り方をより明確に示してほしいと願うところである。

集団的自衛権の代表的な例として第二次世界大戦後にできた北体制条約機構(NATO)がある。戦後、二度と悲惨な戦争を繰り返さないために、「アメリカを引き込み、ロシアを締め出し、ドイツを抑え込む」という考え方のもとにアメリカと西側主要国とで発足し、現在28か国が加盟している。

これらの加盟国は集団的安全保障体制構築に加えて、域内いずれかの国が攻撃された場合、共同で応戦・参戦する集団的自衛権発動の義務を負っている。

 

NATOの集団的自衛権と、日本で取り上げられた集団的自衛権とはどこがどう違うのだろうか。

1つには加盟国の数の違いだろう。ヨーロッパでは28ヶ国、日本では想定されるのはアメリカのみ。アメリカとは、日米安全保障条約があり、数多くの日本の基地の提供と、思いやり予算とで日本の国防に関するいわば保険をかけている状態にある。

日本が攻撃をされた時、一緒に戦ってくれそうなのは、安保条約に従ってアメリカ。それは日本が集団的自衛権の発動を条件付きにして可能にしたからではない。これまでの安保条約に従って安保条約を守ることからきているはずだ。

それでは何のための安全保障法制の改正であったのか意味がよくわからない。

日本本土を守るために必要なのは日米安保条約の誠実な履行であり、本土から離れても行う集団的自衛権の問題ではないように考えられるのだが。

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本土防衛

2015年9月28日 | 時事問題

「今でしょ!」で有名になった林修先生の出ている初耳学の番組でやっていたので見た人も多いと思います。スイスのハイウエーは、直線が大変長く作ってある、それは戦争になったときに戦闘機等が着陸できる滑走路となるように作られており、中央分離帯に当たる所も周辺の住民が取り外す訓練を受けているので、すぐに外せるようになっているというものでした。舛添東京都知事も番組の中で実態をよくご存じでした。

 

スイスは言うまでもなく永世中立国。そして強力な軍隊を持ち侵入してくるものに対しては断固として侵入を許さないという姿勢を堅持している。

 

スイスに入らなければ中立を守る。しかし、中へ入ろうとすれば断固としてそれを許さない。そもそも雪に覆われたアルプスの凍り付いた山道、ナポレオンの騎馬隊も、ドイツのオートバイ部隊も山道や天候を熟知するスイスのゲリラ戦にはとてもかなわないのだ。

 

スイスやオーストリアのように永世中立国として武力を使う基準を明確にしていることはとても分かりやすい一つのブランドだ。様々な国際紛争に武力を用いていくことは決して賢明なことではないだろう。専守防衛は日本国憲法の根本的な精神だ。

 

日本は様々な国際紛争に武力をもって首を突っ込んでいく国ではないし、それだけの軍事力も持ってはいない。東アジアの現状を鑑みるに、限られた軍艦等を本土から離れたところに後方支援と称して移動させるようなことは本土防衛を手薄にすることにつながっていくのではないか。

 

スイスと同じように、日本の高速道路もいざというときは滑走路として使えるようにといった本土防衛の発想を持つことも、大切なことなのではないかと思う。

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安保法成立

2015年9月24日 | 時事問題

9月19日未明、参議院本会議で安全保障関連法が可決され、安保法が成立した。

約60%の国民が反対をし、80%を超える人々が政府の説明は不十分、識者の多くは憲法違反と断じる中、両院ともに悲しむべき強行採決がなされるという情けなさだった。

また、反対する野党も、ありとあらゆる手を尽くして阻止すると息巻いていたが、国民はその対応にも情けなさを感じていた。

 

ところで、今後この法律が施行されるにあたりいくつかの問題に遭遇するのではないかと思われるが、そのいくつかを記しておきたい。

 

1つには、多くの憲法学者等が述べているように本法律が違憲と判断される恐れがないとは言えないことだ。最高裁においても違憲と判断された場合には、その修正を行う必要が出てくるのだろうが、そもそも立憲主義との関係において国際的にも影響の大きい安全保障にかかる問題だけに、その整理が大変難しいこととなるのではないか。

2つ目としては、自衛隊員が捕虜となったり、誤射して民間人にけがをさせたり死亡させてしまったりした場合の対処だ。自衛隊は軍隊でなくまた軍法会議もないという状況で、隊員個人個人がどういう義務と責任を負うこととなるのか明確にしておく必要がある。

第3に武器を使用しない平和主義日本のブランドが変化することによって国連PKOの平和的な活動に従事している人々が敵視されたり、棄権に巻き込まれる恐れが出てきたりということはないのだろうか。

第4に、個別的自衛権で自国を守る場合には日米安保条約をベースに米軍の支援を期することになるわけだが、集団的自衛権が容認されるとそれ以上の期待をどこかの国、例えばフィリピンやインドネシア、ベトナム等に期待することがありうるのだろうか、ということだ。集団的自衛権が容認されれば抑止力が高まるといった説明がなされたりするが、そのような期待が具体的にありうるのか疑問である。

第5に、近隣諸国の軍事的脅威が増すなら、日本本国の防衛をもっと力を入れてやるべきであって、戦力を海外に分散させるようなことは現実的ではないはずだ。

第6に日本の防衛のためには経済力が軍事力よりもむしろ重要な面も多々あり、そういった方向での世界への貢献を行っていくべきではないか。

 

ほかにも問題点は多々あると思うが、上記の諸問題はすぐにでも考えていかなくてはならないことではないかと思う。

2015年9月13日(日)NHKスペシャルで標記についての各党代表者の討議を見た。参議院における会期末に向けて、これまでに行われてきた安保関連法案について中身のある議論が行われていたと思う。

その中の議論でいまだに問題と指摘されていると思われる気付きの点を上げれば次のようなことであろう。

 

1.本法案について、現時点においても国民の理解は進んでおらず、80%以上の国民は説明不十分と感じており、6割を超える国民は現時点での採決に反対している。

 

2.集団的自衛権の限定的容認については歴代の内閣法制局、最高裁判所長官経験者、憲法学者等も違憲を表明しており、法的な問題を指摘している。

 

3.集団的自衛権の一部行使容認については、政府が最終的には「総合的に判断」して行うとされておりその中身が不明確であり最終的には時の政府の裁量が大きすぎることになってしまう。

 

4.集団的自衛権の一部容認をするためには「日本を守るために」という点が明確であることが必要であり、ホルムズその他地球の裏側まで行くようなことには問題がある。

 

5.そうした問題を防ぐためにも国会の事前承認が必要である。

 

6.諸外国からの脅威については、基本的に個別的自衛権の問題であり、日米安保条約等個別的自衛権の問題として認識すべきだ。

 

7.外国軍隊への後方支援はグレー地域まで活動範囲が拡大されておりそれが何を意味するのか明確でない。リスクは高まると認識できる。

 

8.リスクの高まりにつれて、国民は将来の徴兵制に繋がることを真に恐れている。

 

9.弾薬等の輸送は確実にリスクを高める。給油を行い出撃と組み合わせて繰り返されれば憲法違反の問題が生じる。

 

10.周辺事態法の考え方を明確にする必要がある。これに歯止めがかからず地球の裏側まで行けることには問題がある。

 

テレビ討論会で指摘された以上のような問題については、多くの国民が強い関心をもって見つめている。政府は、多くの国民が真に賛成でき、世論調査も明らかに国民が支持をしていることが明確になるよう、十分な説明を尽くすべきだと思う。

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